旅館火災:宿泊客ら全員無事 福島・穴原温泉
毎日新聞 2012年05月14日 21時39分(最終更新 05月14日 23時48分)
14日午後8時20分ごろ、福島市飯坂町の穴原温泉にある旅館「山房月之瀬(さんぼうつきのせ)」から「客室から出火した」と119番があった。市消防本部によると、地上10階、地下1階建て鉄筋コンクリート造り旅館のうち、5階客室1室を焼損。宿泊客149人は近くのホテルに避難し、従業員29人も含め全員無事だった。
旅館関係者によると、焼損した部屋の客は出火当時、在室しておらず、宿泊客の大半は3階の宴会場にいたという。宴会場にいた会社員の男性(42)は「火災報知機が鳴って従業員から『火事なので逃げてください』と誘導された。パニックはなかったが、広島の火事を思い出し『まさかこんなことがあるとは』と思った。カバンも携帯も持たずに逃げ出した」と話した。
近くに住む男性(76)は「消防車がどんどん来て驚いた。従業員が、お客さんの名前を呼んで避難できているか確認したりしていた。避難できた客はほっとした表情だった」と話した。
現場は、福島市北部の福島交通飯坂線飯坂温泉駅から北へ約2キロ、摺上川(すりかみがわ)に面して建ち並ぶ温泉街の一角。【深津誠、三村泰揮】