レポート提出こそ手抜きの証拠
その日本人教授はこう笑った。
「コピペレポートに憤慨するのはおかしいでしょう。問題は内容ですよ。内容が浅薄だったらそれを指摘してただせばいい。日本の学生のコピペレポートが浅薄な内容のコピーだとしても、それは学生の責任ではない。日本の学生がレポートをまともに書かないのは、レポートを教授たちがまともに読まないからです。まともに読まないのを知っているから学生は適当に書いているんです」
さらにこう言うのである。
「“コピペレポートに憤慨する教授たち”は自分たちが困っているんです。つまりいい加減に読んでいる限りはコピペかどうかを判断できないから『困る』と言っているだけです。学生やネット社会を批判するのは間違いですよ。それ以前に、先生自身がまともに学生を評価しようとしていないことを自省すべきです。そもそもレポート提出というのは、教員にとってもっとも安易な学生の評価方法ですよ。先生は何もしなくてもいいのですから」
なるほどと思った。レポートの問題は内容である。内容が薄いとしたら、普段から読み込まないことが知られている先生が評価者としてなめられているだけである。だとしたら、ネットの力によってコピペレポートが氾濫することは悪いことではないのではないか?なぜなら、コピペレポートの台頭で、今まで手抜きしていた先生たちが真剣にレポートを読まざるを得なくなっているからだ。どこがコピペか指摘するためには相当レポートを熟読しないといけない。「自分の頭で考えていなかった」のは学生より手抜き評価の教授たちなのではなろうか?
コピペの犯人探しに意義はあるか?
中にはコピペレポートを技術で探し出そうと精を出す理科系国立大学の教授もいる。学生の引用状況を瞬時に割り出すソフトを開発しているという。この論文は「引用率81%」とか出てくるらしい。
それを前述の“コピペ批判を批判する”教授に話すと「これはさらに愚かな方法。技術を使っていかにレポートを真剣に読まないで済むかを追求している。学生と向き合って評価するためのレポート評価をさらに手抜きしようと思想で、それを国の予算を使って“研究”している。評価できないね。」と手厳しい。
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