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'12/5/15

温首相、ウイグル会議で野田首相に激しく抗議

 【北京共同=伊藤豪】中国の温家宝おん・かほう首相が13日の野田佳彦首相との日中首脳会談で、亡命ウイグル人組織を束ねる「世界ウイグル会議」のラビア・カーディル主席への日本政府の査証(ビザ)発給について「テロリストを国内に入れるのは許せない」と激しい言葉で抗議していたことが14日、分かった。複数の外交筋が明らかにした。

 発言は首脳会談前半の少人数会合でなされた。日本外務省は「(中国側は)原則的立場の表明があった」などとあいまいに説明していた。中国指導部がカーディル氏の日本入国を重大視していることが明確となり、今後の日中関係に尾を引く可能性がある。

 胡錦濤こ・きんとう国家主席と野田首相による14日の個別会談が実現しなかったのはこの問題が影響したとみられる。

 少人数会合は中国側の要請で開催され、大部分のやりとりがカーディル氏と沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)の問題だったという。

 日本外務省の説明によると、温首相は首脳会談の中で「中国の核心的利益と重大な関心事項を尊重することが大事だ」と述べ、台湾やチベットなど中国が譲歩できない問題に用いる「核心的利益」という言葉で日本側をけん制した。これも少人数会合でのやりとりとみられる。

 野田首相は人権活動家、陳光誠ちん・こうせい氏の処遇に手を焼く中国の現状を踏まえ、日中人権対話再開を求めて反撃したという。

 少人数会合は、日本側が野田首相のほか、斎藤勁官房副長官や長島昭久首相補佐官ら、中国側は温首相のほか、楊潔〓よう・けつち外相や傅瑩ふ・えい外務次官らが出席した。

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