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スポーツ
【大相撲夏場所】稀勢の里、ライバル琴奨菊との1敗対決制す
2012.5.14 23:58
立ち合いが合わずに突っかけた稀勢の里は、琴奨菊ののど元を右手で勢い良く突いた。挑発だったか、それとも相手への意識付けだったか-。
二度目に立つと、稀勢の里は左四つに組みに出る。右上手を引けず左を差し合う形に。相手得意のがぶり寄りで俵に詰まること2度。だが、懸命に押し戻すと、一瞬の隙を逃さず肩透かし。
「立ち合いは悪くなかった。思い切って踏み込んで右上手を取ろうとした気持ちがあったから残せたし、圧力があったからこそ(肩透かしが)決まった」。ライバル大関との大一番を、集中力と前への気持ちで制した。
過去12勝25敗と苦手の琴奨菊とは、場所前の二所ノ関一門の連合稽古で精力的に胸を合わせた。そこで得た感触から「何が一番確率が高いか」を考え、得意の突き押しでなく、四つで先に上手を狙う策を選択した。この幅の広がりは、大関3場所目となり心身が充実してきた証しだろう。
上位陣が次々と星を落とす中、賜杯争いのトップを走る。日本人の優勝は平成18年初場所の栃東(現玉ノ井親方)が最後。実に6年以上、36場所連続で外国勢が独占している。久々の「和製力士の優勝」に周囲の期待は高まが、本人は「まだ半分ですから」と取り合わない。
「今日は褒められる相撲じゃない。思い切って明日からやります」。浮つくことなく残り6日間を見据えていた。(宝田将志)
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