食品表示の裏側:一元化問題を考える/上 添加物と使用目的、併記を

2012年05月14日

「保存料・合成着色料・甘味料不使用」と「pH調整剤、グリシン」が併記されたコンビニ弁当の表示(一部画像を処理しています)
「保存料・合成着色料・甘味料不使用」と「pH調整剤、グリシン」が併記されたコンビニ弁当の表示(一部画像を処理しています)

 ところが、食品衛生法ではクエン酸ナトリウムなどを「pH調整剤」、グリシンなどを「アミノ酸等」と表示していいことになっている。保存目的で使っているのに「保存料不使用」と表示しても違反ではないのだ。

 食品添加物や遺伝子組み換え作物の問題を科学的に発信するNPO法人「くらしとバイオプラザ21」の佐々義子常務理事は「保存料不使用と表示しつつ、同じ目的で別の添加物を使っていいなら、消費者に誤解を与えるだけだ」と話す。

 腐敗防止の効果は、保存料として知られるソルビン酸や安息香酸の方が高い。「pH調整剤やグリシンは一般的に保存料の10倍前後も多く使われる」(日本食品添加物協会)というから、消費者にとっては「保存料不使用」表示はますます理解しづらくなる。

 食品分野の技術士で、表示や品質管理に詳しい藤田哲さんは「添加物名の前に、使う目的や用途を表示していないことが消費者の誤解を誘っている。用途表示を義務づけるよう、法律改正が必要だ」と指摘する。

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