2012年05月13日

調布エフエムへの抗議

 先日オンエアされた、私がゲスト出演した調布FM制作の『神部冬馬 Music Passport』について。

 番組自体は良かったのですが、一部、私の意図に反する編集がなされていたので、調布FMの岩下ディレクターへ抗議のメールを送りました。

 番組内で私が朗読した「金太郎飴の正しい食べ方」と「俺様は四塁手」に、それぞれ歌入りのBGMが付いていたのです。収録の際は通常のライヴ同様、無音状態で朗読をして、BGMが付くことは全く知らされていませんでした。

 冬馬さんとのトークは楽しかったし、せっかくのラジオ出演の機会であり、守山ダダマの存在と表現を一人でも多くの方に知って頂ければよしと思っていたので、この編集について抗議することには躊躇もありました。しかし、自分の最も大事にしている部分を勝手にいじられたのであって、表現者として、詩人として黙っているわけにはいかないと思い、ディレクターへメールを送りました。

 ディレクターから数日後に回答がありましたが、結果的に守山の意図に反するものになったことへのお詫びはあったものの、「今後出演の機会がある場合も朗読にBGMをかぶせて頂く」との事でした。反省もしていないし、詩の朗読というものを理解していない、しようともしていないと思ったので、このブログ上で告発することにしました。

 編集の理由について、番組サイドは以下の2点を挙げました。

 1.番組の流れを壊したくない
 2.放送事故の危険があった

 1については番組が「トークを交えた音楽番組」であり、朗読が入ることで番組の流れが止まってしまうとの事ですが、朗読する側からすれば失礼な話です。では何故朗読詩人をゲストに呼んだのか? 通常はミュージシャンをゲストに招いているそうなので、私も同様・同等の待遇を受けるものと思っていました。朗読も音楽ですから。詩も曲ですから。しかし実際には、朗読詩人は音楽家よりも軽んじられていると感じました。

 2については、朗読中、声と声の間で無音になり、放送事故になる恐れがあるとの事ですが、では落語などはどうなのか? NHKなどでは落語の時などは送信機器の無音検知を外しているが、小規模のコミュニティFMではそうした対応が難しいとの事。しかし「難しい」で済ませていいのだろうか? 朗読詩人を呼ぶ以上は配慮があるべきだし、事前の説明をしてほしかったと私は思います。私は無音も音であり、音楽であり、行間の静寂も朗読の一部だと考えています。だから静寂が許されないという状況には特別な対処をしなければいけないのです。

 その上不可解なのは、BGMがインストではなく歌が入っていたこと。朗読の声に歌の声が混じり込んでわかりにくいものになっています。しかも選曲が、「金太郎飴」には冒頭の「舐めんなよ」で思いついただけとしか思えない「なめ猫」の歌。あと「四塁手」の方はかつてオロナミンCのCMで流れていた「元気の星」。「10番バッターで四塁手」と読んでいる裏で「子供の頃からエースで4番〜♪」などと歌われ、全く矛盾しています。ただ単に野球の詩だからというだけの安直な選曲だし、恐らく番組制作者側は詩をちゃんと聞いていないのだと思います。

 ファイルを閉じる音が入っていたのは良いけど、朗読を、詩を台無しにされた気分で、後から後から憤りが増しています。

 これからラジオに出演する機会があるであろう全ての朗読詩人のためにも、ここは声を上げなければいけないと思い、ここで叩かせて頂くことにしました。

 「舐めんなよ」が「なめんなよ」に舐められて、「舐めんなよ」ということです。まだまだロックしなきゃな。

 

dadama2005 at 16:07│Comments(3)TrackBack(0)この記事をクリップ!詩楽 | 音楽

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この記事へのコメント

1. Posted by 大袈裟太郎   2012年05月13日 17:37
100%ダダマが正しいと思うよ。業界に屈せず、突き進んでくれ♪
2. Posted by 渡辺タテタ   2012年05月14日 10:29
表現にリスペクトの欠片も持たない連中が、音楽番組やってるとかどーゆーこっちゃ。
説明がない上に、声に歌モノ被せるとか、やってることが幼稚すぎて言葉を失うわ。

ファッキン調布エフエム!
3. Posted by ダダマ   2012年05月14日 16:10
>大袈裟太郎さん
ありがとうございます。
堂々と戦います。

>渡辺タテタさん
その通りですね。残念ながらリスペクトが感じられないし、いい加減に番組をやっているとしか思えません。

ファッキン調布エフエム!

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