政府原案 関電管内20%節電要請5月14日 17時59分
政府は、ことしの夏の節電対策について、原子力発電所の運転が再開しない場合、関西電力の管内では家庭や企業などに対して20%程度の自主的な節電を要請することなどを盛り込んだ原案をまとめ、14日夜7時から関係閣僚らの会議を開いて内容を協議することにしています。
この夏の電力需給を巡っては、政府の第三者委員会が12日、原発の運転再開がなく、おととし並みの猛暑となれば、一定の節電効果を見込んでも、関西電力の管内では全国で最も厳しくなり、14.9%の電力が不足するなどとした検証結果をまとめました。
これを受けて政府は、原発の運転再開がない場合のことし夏の節電対策について原案をまとめ、14日夜7時から関係閣僚らの会議を開いて内容を協議することにしています。
原案ではまず、需給が厳しい地域に対する自主的な節電の要請については、いずれもおととしと比べて、関西電力管内では20%程度、九州電力管内に12%程度、北海道電力管内に7%程度、四国電力管内に5%程度、需要が低くなるよう要請し、それぞれ需給のひっ迫に備えて計画停電の準備の検討を始めるとしています。
またこのうち、関西電力管内については、地元の意向を聞きながら法律に基づく電力使用制限令の実施の検討にも着手するとしています。
さらにこれらに加えて、関西電力と九州電力への電力の融通を増やすために、西日本の中部電力、中国電力、北陸電力の管内にそれぞれ5%程度の自主的な節電を求めて、関西電力管内への節電要請を15%程度に、九州電力管内を10%程度に抑えることも検討するとしています。
一方、東京電力や東北電力の管内では数値目標を設けずに節電を求めるとしています。
政府は関係閣僚らによる会議でこの原案について検討し、今週中にも最終的な対策をまとめたいとしています。
ただ今回の原案は、原発が運転再開しない前提でまとめられたもので、政府は、大飯原発の運転再開を巡る動向しだいでは、需給対策について改めて検討することにしています。
20%の節電とは
政府が検討する関西電力管内に対する20%程度の節電要請。
実際に行われれば、去年夏に実施された東京電力と東北電力の管内に対する15%の目標よりも厳しいものとなります。
去年の夏、東京電力と東北電力の管内ではこの目標を達成するため、法律に基づく電力の使用制限も行われました。
一部を除く大口の利用者に対しては一定の期間を区切って、平日の午前9時から午後8時までの間、15%の節電を求め、故意に違反した場合は、最大100万円の罰金が科されるという内容でした。
このため、対象となる工場や企業などでは、平日を休みにして土日に操業したり、始業を大幅に繰り上げたりするなどの対応に追われ、生産活動はもちろん、そこで働く従業員の生活にも大きな影響が出ました。
さらに家庭でも、自主的な節電が行われ、去年の夏の暑さが前の年ほどではなかったこともあって政府は、いずれの管内でも15%を上回る節電がおおむね達成されたものとみています。
ただ、この夏の暑さが厳しくなれば、関西電力管内では去年の東京電力管内以上の取り組みが求められることになります。
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