政治【正論】日本財団会長・笹川陽平 存在意義なくした参院は不要だ+(3/3ページ)(2012.5.14 03:06

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【正論】
日本財団会長・笹川陽平 存在意義なくした参院は不要だ

2012.5.14 03:06 (3/3ページ)正論

 何も決まらぬまま低迷が続く政治の作り替えこそ、“待ったなしの課題”であり、そのひとつの方法として定数削減が検討されてきた。民主、自民両党とも公約に明記しており、実現すれば議員の歳費や文書通信交通滞在費、公設秘書3人の給与など議員1人当たり年間1億円以上の節約になる。議員数が減ればその分、議員の顔が見えやすくなる効果もある。

 ≪増える廃止論、無用論≫

 しかし、遅々として進まない政治改革の現状を見れば、いたずらに定数削減の実現を待つのは、かえって国民の政治不信を助長する結果になりかねない。有権者の政党離れや参議院廃止論、無用論の増加は、未曽有の国難を前にしてなお政策より政局が優先する政治に対する国民の怒りが深く静かに広がっていることを示している。国民が政治に背を向けたとき、この国の将来は危うくなる。

 ならば、存在意義をなくした参議院を廃止し、一院制に移行した上で議席数を大幅に絞り込んだ方が政治の緊張感も増し、再生への近道となる。衆議院480、参議院242の議員数は明らかに多すぎ、この点が個々の政治家の存在感、責任感を希薄にしているからだ。一院制になり議席も絞られれば、モノ言わぬ政治家、行動せぬ政治家が生き残る道はなくなる。

 いつの時代も政治に求められるのは、スピード感のある決断と実行力である。参議院廃止による一院制移行は、これを実現するため早急に検討されるべきテーマである。政治家諸氏が責任と覚悟を持って取り組まれるよう求める。(ささかわ ようへい)

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