あさま山荘事件40年でシンポ5月14日 4時16分
「あさま山荘事件」をはじめ、過激派の連合赤軍による一連の事件から、ことしで40年になります。これを機に事件がどうして起きたのかを考えようというシンポジウムが、13日、都内で開かれました。
40年前の昭和47年2月、過激派の連合赤軍は「あさま山荘事件」を引き起こし銃撃戦の末、警察官など3人を殺害しました。
さらに、活動方針を巡って仲間に自己反省を迫り、リンチをエスカレートさせて12人を殺害していたことも後に発覚しました。
シンポジウムは、社会に大きな衝撃を与えた一連の事件から40年になるのを機に、事件がどうして起きたのかを改めて考えようと開かれました。
パネリストは、当時を知る元活動家のほか、事件をテーマにした映画や小説、漫画などを発表している作家たちです。
このうち、元活動家の1人は「リンチ殺人につながる命令を出した指導者にも責任はあったが、不満に思いながら命令を受け入れた者にも問題があった」と語りました。これに対し、作家の森達也さんは「連合赤軍の事件はオウム真理教と同じで、指導者だけが事件を引き起こしたのではなく指導者とそれ以外の人たちがお互いを利用して1つの方向に流れた結果だと考えている。こうしたことは、今のどの組織でも起こる可能性があり、普遍性を持っていると思う」と述べました。
また、一連の事件をテーマにした漫画を連載している漫画家の山本直樹さんは「人間は間違いを犯すもので、そういう意味では連合赤軍の事件に謎はないと捉えている。連合赤軍の人たちは、議論するなかで、ことばが暴走し、暴走したことばにこだわりすぎて事件を起こしたのだと思う」と述べました。参加した33歳の会社員の女性は「なぜ凄惨な事件に至ったのかを知りたくて参加しました。集団が暴走してしまうことは現代社会でもありえることなので、その動機を知ることができてよかったです」と話していました。
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