ANA機10分遅れで那覇着陸できず

ANA139便離陸~着陸までの流れ

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2012年5月4日 09時53分

 羽田から那覇空港に向かっていた全日空139便が2日午後11時12分、約30キロ離れた米軍嘉手納基地に着陸した。滑走路の定期整備が始まる午後11時に、10分ほど間に合わないことから那覇空港への着陸を断られた。この便は整備が終わった翌3日午前1時43分、那覇空港に到着。約5時間の思わぬ長旅に、満席の乗客405人からは「少しも待てない工事だったのか」と不満の声が聞かれた。(福井悠介、富濱まどか)

 全日空によると、午後8時出発予定だった139便は、座席のリクライニングが壊れ、出発が50分遅れた。定刻だと午後10時35分着で、50分遅れると午後11時25分。滑走路が整備で閉鎖される午後11時には間に合わないが、普段よりスピードが出る低めの高度で飛んだり、飛行ルートを直線に近づけたりして急げば、大幅には遅れないと機長が判断して羽田をたった。

 しかし、結局、10分ほど間に合わずに着陸を断られた。航空会社関係者によれば「5分、10分なら待ってくれる空港が大半だが、那覇は厳しい」という。

 国土交通省那覇空港事務所の話では、毎日午後11時から午前1時半まで、滑走路の路面を整備したり、灯火を点検したりしている。

 深夜に飛ぶ全日空の貨物機やスカイマークの旅客機が増え、整備の時間に余裕がなくなってきたため、2009年に那覇空港独自の運用指針を決めた。悪天候などのやむを得ない事情がなければ整備時間は融通しない。今回も、座席の故障は全日空の都合だからと、指針通りに着陸を断った。

 那覇空港に向かう便が悪天候などの影響で嘉手納基地に着陸することは珍しくない。ただ、嘉手納では「外の写真を撮らないように」と指示する機内アナウンスがあったという。

 空港の到着ロビーには午前1時50分ごろ、ゴールデンウイークを沖縄で過ごそうと、ダイビング道具など大きな荷物を抱えた観光客らが次々と出てきて、タクシー乗り場に長い列をつくった。

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