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東京電力からのお知らせ

新聞、テレビ、インターネットなどで取り上げられている話題について、東京電力から解説いたします。

新着情報
2012年5月2日更新
1号機非常用復水器は、手順書にしたがって適切に操作されていました

1号機非常用復水器は、手順書にしたがって適切に操作されていました

平成24年5月2日更新

 2011年3月11日14時46分、1号機は地震の揺れが大きいことを感知して自動的に原子炉を停止しました。このとき、原子炉で発生した蒸気をタービンに送る配管に設置されている主蒸気隔離弁も閉鎖したため、原子炉で発生した蒸気の行き場がなくなり、徐々に原子炉圧力が上昇しました。そして、原子炉圧力が非常用復水器の自動起動する圧力に達したため、非常用復水器の弁が自動的に開いて蒸気が流され原子炉の減圧が開始されました。その後、津波が襲来するまでの間、運転員は手順書にしたがって非常用復水器を操作し、原子炉の急激な減圧を避けつつ、原子炉圧力を一定範囲内に収まるように調整していました。一方、原子炉圧力を下げる方法には、非常用復水器のほかに、逃し安全弁を使う方法もあります。東京電力の手順書には両者が併記してあり、「非常用復水器は使わず」といった記載はありません。また、仮に逃し安全弁を使用した場合でも、その開閉操作によって原子炉圧力を一定範囲内に収まるように調整しますので、「圧力が一気に下がって原子炉内の水が沸騰し、空だき状態になる」ことはありません。


注:原子炉圧力が上昇すると、非常用復水器と逃し安全弁はいずれも自動的に起動しますが、自動起動する圧力は非常用復水器の方が低く設定されているため、非常用復水器の方が先に起動します。また、逃し安全弁による減圧は、原子炉で発生した蒸気が圧力抑制室に排出されるため、それを補う原子炉注水が必要ですが、非常用復水器による減圧は、蒸気が非常用復水器で凝縮され水になり原子炉に戻るという特性があります。


4号機原子炉建屋は傾いておらず、燃料プールを含め地震で壊れることはありません

平成24年4月26日更新

 4号機原子炉建屋は、水素爆発により建屋の上部が損傷した状態となっていますが、下記の項目を確認し、燃料プールを含め地震で壊れることがないことを確認しています。


(1) 使用済燃料プールの水面と建屋の床面の距離を測り、建屋が傾いていないことを確認しました
(2) 再び東北地方太平洋沖地震と同程度の地震(震度6強)が発生しても使用済燃料プールを含め原子炉建屋が壊れないことを解析により確認しています
(3) さらに使用済燃料プール底部を補強して、耐震余裕度を20%以上向上させています
(4) 今後、年4回の定期的な点検を実施し、原子炉建屋および使用済燃料プールの健全性を確認していきます

※ (1)~(4)の詳細については、添付資料を参照してください


(添付資料)4号機原子炉建屋は傾いておらず、燃料プールを含め地震で壊れることはありません (PDF 157KB)


関連資料・データなど



今回の津波は、それまでの知見では想定できない大規模なものでした

平成24年4月17日更新

1.概要
 今回の津波を発生させた東北地方太平洋沖地震は、マグニチュード9の巨大地震であり、国内観測史上最大、世界観測史上4番目の規模の地震でした。岩手県沖から茨城県沖に至る南北約500km、東西約200kmにおいて、多数の領域が連動して活動したもので、最大の滑り量は50m以上と言われています。このような地震は、東京電力のみならず内閣府の中央防災会議や文部科学省に設置された地震調査研究推進本部においても検討されていなかったものです。


2.これまでの津波評価
(建設時の経緯)
 東京電力では、安全最優先の基本方針のもと、福島第一原子力発電所の建設時には有史以来、福島沿岸で経験された最大の波高を与えたチリ津波(小名浜港で約3m)でも安全性を確保できるように設計をしていました。その内容については国に提出した設置許可申請書にも記載され許可を受けております。

(土木学会の基準による見直し)
 その後の技術進歩を踏まえて、2002年に土木学会「原子力発電所の津波評価技術」 が作成されました。これは、津波シミュレーション技術を適用し、より保守的な結果を与えるものと考えられ、この基準にしたがって再評価を行なった結果、津波の高さは約6mとなりました。東京電力では、この結果をもとに自主的に対策を講じ、結果について国に報告を行ってきました。なお、この津波評価技術は、大震災に至るまで国内の原子力発電所の標準的な津波評価方法であり、太平洋岸に設置される他の原子力発電所を含め全国の発電所で国に提出する評価にも使われているものです。
 東京電力としては、この基準によって原子力発電所の安全は確保されていると考えておりましたが、結果として津波に対する備えが足りずに今回の事故を招いたことについては大変申し訳なく思っております。


3.新たな知見、学説等への対応
 東京電力としては土木学会の基準によって原子力発電所の安全は確保されていると考えておりましたが、更に最新の知見や学説等についても適切に評価し、設備の設計や運用にフィードバックするという立場から、地震や津波に関する調査研究の動向についても注視し、それに対応した調査検討を進めていました。
 例えば、2002年7月に地震調査研究推進本部による「三陸沖から房総沖の海溝沿いにどこでもマグニチュード8クラスの地震が発生する可能性がある」 という見解が公表されました。この見解については、福島県沖の海溝沿いが過去に大きな地震が発生していない空白域であったことから、土木学会では2003年から研究開発することとしていた確率論的評価手法の中で取り扱うこととしておりました。東京電力では、土木学会の検討成果である確率論的津波ハザード解析手法を用いて2006年に試算を行ったところ、高さ10mを超える津波が発生する頻度は10万年から100万年に1回程度となりました。しかしながら、この試算は開発段階にある手法の適用性の確認と手法の改良を目的に実施したものであり、福島の発電所が実際に津波に襲われる頻度を表したものという認識はありませんでした。
 また、2008年には、耐震安全性評価の検討を進める中で、明治三陸沖津波の波源モデルを福島県沖の海溝沿いに持ってきた試算(結果:15.7m)を行っていますが、この波源モデルの妥当性は不明であったことから、過去に地震のなかった地域に波源を想定するかどうかも含め土木学会にその扱いについて検討を依頼しておりました。なお、この福島県沖の海溝沿いでの地震については、中央防災会議の津波評価、あるいは各自治体の防災上の津波評価でもこれまで検討の対象とはされていませんでした。

 また、2009年4月に発表された869年の貞観津波に関する論文(佐竹(2008) )についても検討を行いました。論文に示されている波源モデルは、仙台平野および石巻平野での津波堆積物調査結果に基づくものであり、発生位置および規模等は未確定とされていたため、それらを確定させるためには福島県沿岸等の津波堆積物調査が必要とされていました。この論文を受けて、東京電力は津波堆積物調査を行った結果、福島県北部では標高4m程度まで津波堆積物が確認されましたが、福島県南部では津波堆積物が確認されませんでした。この結果は、論文に示された波源を使用して行った試算(結果9.2m)と整合しないことから、貞観津波の波源については、引き続き調査・研究が必要と考えられました。


(今回の地震)
 図に示すとおり、今回の地震は岩手県沖から茨城県沖までの500km×200kmという広範な領域を震源としたものでした。これは地震調査研究推進本部のいう福島県沖海溝沿いの地震や貞観地震とはまったく規模が異なり、土木学会「原子力発電所の津波評価技術」で個々に評価することが求められていた波源の複数が同時に動いたことに相当するような巨大なものです。したがって、東北地方太平洋沖地震は、これまでの知見では想定できないような規模のものであり、この地震によって生じた津波の高さ(規模)を想定できるものではなかったと考えています。しかしながら、今回の事故を省みますと、当時の知見では想定できないものであったとはいえ、結果としてこうした巨大な津波への備えが不十分であり、取り返しのつかない事故を引き起こしたことにつきまして、深くお詫びを申し上げます。


再び東北地方太平洋沖地震と同程度の規模の地震が起こっても、原子炉建屋が崩れることはありません

平成24年4月5日更新

 4月1日23時04分頃、福島県沖でマグニチュード5.9の地震が発生し、福島県浜通りで震度5弱を観測しました。福島第一原子力発電所における原子炉への注水、窒素ガス封入、使用済燃料プールの冷却、高濃度汚染水の処理などの設備に異常は認められず、地震後も正常に機能を維持しています。原子炉建屋の揺れとしては、6号機原子炉建屋基礎部で水平方向:40.7ガル、上下方向:19.4ガルを記録しました。


 東京電力では、将来発生する可能性がある大きな地震として基準地震動Ssを策定して、耐震安全性の評価を行なっています。例えば、基準地震動に対する6号機原子炉建屋基礎部の揺れは、水平方向:448ガル、上下方向:415ガルです。(4月1日の地震と比較して、水平方向で約10倍、上下方向で約20倍の地震です。) この基準地震動は東北地方太平洋沖地震の観測記録と比較して概ね同程度と評価しており、これを用いて現在の1~4号機の原子炉建屋が損壊している状態を模擬した上で、原子炉建屋や安全上重要な機器・配管について地震応答解析を実施しました。その結果、建屋の耐震壁のせん断ひずみや機器・配管の応力が基準値を下回っており、建屋が崩れたり、機器・配管が機能を失ったりしないことを確認しています。

関連資料・データなど

2号機格納容器内には約60cmの水位があり、格納容器内は十分冷却されていることが確認できました

平成24年4月5日更新

 3月26日に工業用内視鏡を2号機格納容器内に挿入し、格納容器床面から約60cmの高さまで水が溜まっており、水温が48~50℃であること、水面上の雰囲気温度も42~45℃であることが確認されました。当初予想していた水位よりも低く、毎時約9m3も注水しているにもかかわらず、「格納容器内に約60cmしか水がなかった。」という報道があります。しかしながら、重要なことは


・格納容器外側からの推定ではなく、実際に水が溜まっていることを内視鏡を通じて目視できたこと、および外部で校正された温度計で水温が測定できたこと
・溶融した燃料が格納容器内に落下し、冠水されず剥き出しの状態であれば、もっと温度が高い状況であるはずであり、測定された水温および雰囲気温度は、格納容器内が十分冷却できていることを示していること
の2点です。

 毎時約9m3も注入した水が、格納容器から原子炉建屋へ、さらに原子炉建屋からタービン建屋へ漏えいしていることは事実ですが、各建屋から地下水への漏出はありません。東京電力としては、引き続きタービン建屋から漏えい水を回収し、放射性物質や塩分などを除去した上で再度原子炉へ注水するという循環注水冷却を安定的に運用し、冷温停止状態を確実に維持していきます。今後は、ロボットによって原子炉建屋地下1階トーラス室の損傷状況を確認したり、建屋間止水工事の工法を検討したりしながら、漏えいの抑制を行っていく予定です。

関連資料・データなど

建屋間止水のための大型水槽試験結果について(PDF 973KB)
トーラス室現場調査について(PDF 960KB)

東京電力が全面撤退を申し出たことはありません

平成24年3月1日更新

 東京電力が福島第一原子力発電所から全員を退避させようとしていたのではないかと、メディアで広く報道されていますが、そのような事実はありません。昨年3月15日6時30分頃、社長が「最低限の人員を除き、退避すること」と指示を出し、発電所長が「必要な人員は班長が指名すること」を指示し、作業に直接関わりのない協力企業作業員及び当社社員(約650名)が一時的に安全な場所へ移動を開始し、復旧作業は残った人員(約70名)で継続することとしたものです。

 東京電力が官邸に申し上げた主旨は「プラントが厳しい状況であるため、作業に直接関係のない社員を一時的に退避させることについて、いずれ必要となるため検討したい」というものです。3月15日4時30分頃に社長の清水が官邸に呼ばれ、菅総理から撤退するつもりかと問われましたが、清水は撤退を考えていない旨回答しており、菅総理もその主旨で4月18日、4月25日、5月2日の参議院予算委員会で答弁されています。清水も4月13日の記者会見において「全面撤退を考えていたということは事実ではない」と申し上げています。

関連資料・データなど

平成24年2月9日 朝日新聞朝刊連載「プロメテウスの罠」について
平成24年1月13日 朝日新聞朝刊連載「プロメテウスの罠」について

2号機圧力容器底部の温度上昇の原因は温度計の故障、引き続き冷温停止状態を維持

平成24年2月16日更新

 2月上旬、2号機原子炉圧力容器底部の温度計1箇所で指示値の上昇が見られました。東京電力では、局所的に実際に温度が上昇しているのか、あるいは温度計の故障なのか両方の可能性を調査してきました。段階的に原子炉への注水量を約2倍まで増加させて、原子炉の冷却を優先させる対応を行いながら、原子炉の状態を監視しています。

 圧力容器や格納容器内の他の温度計が注水量の増加に伴って温度が低下していることに比べて、当該温度計の指示値の上昇が続いたこと、電気回路を点検した結果通常よりも高い抵抗値が測定されたことなどから、当該温度計の指示値の上昇は故障が原因であり、実際の圧力容器底部は十分冷却されていると判断しました。

 また、格納容器内のガスのサンプリングを行い、臨界かどうかを示すキセノン135が検出限界未満であり、再臨界は発生していないことを確認しています。原子炉建屋から放出されている放射性セシウムの濃度についても、温度上昇以前と比較して変化しておりません。

関連資料・データなど

4号機使用済燃料プールの冷却は十分

平成24年2月13日更新

 福島第一原子力発電所の4号機使用済燃料プールは、水温25~30℃、水位は燃料から上に約7m覆われた状態が続いています。1月1日に発生した鳥島付近を震源とする地震により、一時的にスキマサージタンクの水位が低下しましたが、プールの水温および水位に変化はありませんでした。2月9日にプールの透明度調査のために水中カメラを入れましたが、昨年5月7日にプール内を点検したときと同様、建屋爆発に伴うガレキが落下しているものの、燃料はラックに収納された状態であることを確認しています。

 また、1月22日に原子炉建屋5階の状況を点検し、5階床面と原子炉ウェル水面は平行であることを確認しており、建屋が傾いているということはありません。

関連資料・データなど

(1)4号機使用済燃料プールにおける透明度の確認作業(0:33)
(2)4号機使用済み燃料プールにおける内部映像(2:07)