尋常小学 国語 巻二
昭和初期の尋常小学校の国語教科書です。
「尋常小学 国語 巻二」 モクロク
一 山ノ上
二 オ月サマ
三 アシタ ハ エンソク
四 カマキリヂイサン
五 サル ト カニ
六 カラス ヨ イソゲ
七 ケンチャン
八 ワタシ ノ ニンギャウ
九 ニンギャウ ノ ビャウキ
十 ネズミ ノ ヨメイリ
十一 オ正月
十二 コブトリ
十三 カゲヱ
十四 ユキ
十五 雪 ヨ フレ フレ
十六 花サカヂヂイ
十七 ウグヒス
十八 ツクシ
十九 キシャ
九 ニンギャウ ノ ビャウキ
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![[尋常小学国語巻二 9]](/contents/085/783/248.mime4)
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(参考:現代表記で書き下したもの)
九 人形の病気
花子さんは、人形が病気になったので、お医者様を呼びました。
お医者様は、まさおさんです。
大人の帽子をかぶって、大きなかばんを持って入って来ました。
「ご病人は、どちらですか。」
「あちらに寝ております。」
花子さんは、まさおさんを奥へ通しました。
まさおさんは、人形のそばに座りました。
まさおさんは、人形の手を取りました。
それから、額に触ってみました。
おなかを、上から押さえてみました。
まさおさんが、あんまり上手に、お医者様のまねをするので、花子さんは、急におかしくなりました。
でも、笑わないで、じっと我慢していました。
まさおさんは、丁寧に診てから、
「大して悪くはないようです。食べ過ぎですね。」
と、真面目な顔をして、言いました。
花子さんは、とうとう笑い出しました。
まさおさんも、笑い出しました。
(注:戦前は男が女の子の遊びをしようものなら激しく殴られ、丁寧に再教育(苦笑)されたと思っている人も多いかと思います。現実にそういう家は、特に軍人さんの家ではきっと多かったことでしょう。しかし、これは学校の教科書なのに、「男の子が女の子と一緒に女の子の遊びをする」ことが肯定的に描かれているのです! 驚きではないでしょうか!!)
画像は「尋常小学 国語 巻二」(昭和8年)より。
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