広島・福山のホテル火災 死者7人に5月13日 12時5分
13日朝、広島県福山市でホテルから火が出て一部4階建ての建物が全焼し、警察によりますと、宿泊客の男女7人が死亡宿泊客と従業員合わせて3人が重軽傷を負いました。
客室のある2階と3階の燃え方が激しいということで、警察は出火の原因や避難誘導などの詳しい状況を調べています。
13日午前7時ごろ、広島県福山市中心部の住宅街、西桜町にある「ホテルプリンス」から火が出ました。
消防車8台が消火にあたり10時すぎに消し止めましたが、一部4階建ての鉄筋の建物と木造2階建ての建物がつなぎ合わされた構造のホテルが全焼しました。
警察によりますと宿泊客の男性3人女性4人の合わせて7人が死亡し、従業員1人を含む女性3人が重軽傷だということです。
消防などによりますと、12日夜は20人近くが宿泊し、出火当時にいた従業員は重傷を負った75歳の女性1人だったということです。
客室になってる2階と3階部分の燃え方が激しいということで、警察と消防が出火の原因や避難誘導などの詳しい状況を調べています。
火事を目撃した男性は「出火当時、従業員とみられる女性が『火事だ、火事だ、起きて』と、宿泊客を起こそうと叫ぶ声が聞こえた。そのうち煙がひどくなって、竹が割れるような音がした」と話していました。
消火栓や火災報知設備など義務づけ
ホテルや旅館など、宿泊施設の消火設備については、消防法施行令で延べ床面積が150平方メートル以上の場合は消火器の設置が義務づけられ、700平方メートル以上の場合は建物の中に消火栓を設置することが定められています。
また、警報設備については、延べ床面積が300平方メートル以上の場合は宿泊客にベルなどで火災を知らせる火災報知器を、500平方メートル以上の場合は消防機関へ自動で通報する火災報知設備を設置することが義務づけられています。
福山地区消防組合消防局によりますと、現場のホテルは延べ床面積が1360平方メートル余りあるため、いずれの設備も設置が必要だということです。
これらの設備については、建物の管理者が点検して1年に1回、地元の消防に報告することが義務づけられていて、現在、消防が現場のホテルの状況について調べています。
多くの犠牲者が出た宿泊施設の火災
ホテルや旅館などの宿泊施設で多くの犠牲者が出た火災です。
▽昭和55年に栃木県の「川治プリンスホテル」で45人が死亡する火災が起きました。
▽昭和57年には東京・千代田区の「ホテルニュージャパン」で33人が死亡する火災が起きています。
▽昭和58年には山形県の「蔵王観光ホテル」で火災が発生し、11人が死亡しました。
▽昭和61年には静岡県の「ホテル大東館」の別館から出火し、24人が死亡しました。
▽平成6年に福島県の飯坂温泉の旅館で5人が死亡する火災が起きており、福山市の火事は、平成に入って以降ではこの火災を上回る犠牲者数となりました。
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