20歳代人口の8割以上が会員になっている動画配信サイト「ニコニコ動画(ニコ動)」が、コンテンツ革命の新たな一歩を踏み出した。4月末に幕張メッセで開催した大規模イベント「ニコニコ超会議」では、9万人以上が来場、延べ347万人がネットの生中継で“参加”した。だが、単に派手なことをぶち上げたかったわけではない。そこにはニコ動の本質があった。
4月29日、舞台はふたたび千葉市の幕張メッセに併設されたイベントホール。「初音ミク」らバーチャルアイドルが、会場の6000人とネットで視聴する数十万人を熱狂の渦に巻き込んでいた。「ニコニコ超パーティー」と題された大会議の目玉、夜間のライブイベント2日目の模様だ。(「『ニコ動』で進行するコンテンツ革命、熱狂の舞台裏」を参照)。
だが、若者の熱視線の先は、バーチャルアイドルや、彼女らの曲を歌ったり踊ったりする「歌い手」「踊り手」にとどまらない。
■「テレビに出るより、ニコニコで有名になりたい」
「ズバリ、そうでしょう」「のびたさんのエッチ~」「いやぁ、俺がジャック・スパロウ船長だ」「紳士淑女の諸君、ホーンテッドマンションへようこそ」「よう、私がセルだ」「どうも、フグ田マスオです」「イクラちゃんにお菓子とられたでちゅぅ」……。
4人の素人が、機関銃のようにものまねを披露していく。会場は爆笑に包まれ、ネット視聴者から寄せられた「おおおおお」「にてる」「wwwww」「88888(拍手の意味)」といったコメントが中継画面を「弾幕」のように埋め尽くした。
「こんなこと言うと問題になるかもしれないけど、テレビに出てるものまね芸能人よりすごいと思う。いやー、すごいクオリティー」。司会を務めた人気芸能人の田村淳は興奮し、「なんで、テレビのものまね王座とかに出ないの?」と水を向けると、出演者の1人はこう返した。「テレビに出たいってよりは、ニコニコで有名になりたいって気持ちの方が強くて」――。
ものまねをした彼らは日ごろからニコニコ生放送で自分の番組を持つ人気の「放送主(生主)」。昼間は仕事をしながら、夜間や休日には数百人から数千人ものファンを相手に自宅から放送を繰り返す、ニコ動のなかの「タレント」のような存在だ。
■「箱人間」に「ゲーム実況」、素人に狂喜乱舞
6時間以上にも及んだ超パーティーの2日目で披露された楽曲は50曲以上。そのほとんどは初音ミクやGUMIなど音声合成ソフトの「VOCALOID(ボーカロイド)」に歌わせたオリジナルの「ボカロ」曲で、バーチャルアイドルが歌った14曲以外はニコ動発の素人アーティストが「カバー」して盛り上げた。
しかしその合間、「ニコ動はボカロだけじゃない」と言わんばかりに数十人の放送主も存在感を見せつけた。ニコ動を知らない大人からすればバーチャルアイドルだけでも理解し難いが、さらに理解し難い「コンテンツ」に若者は笑い、声援を送り、狂喜乱舞していたのだ。
初音ミク、ボーカロイド、きゃりーぱみゅぱみゅ、田村淳、ニコニコ動画、川上量生、夏野剛、ドワンゴ
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