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[芸能班本音トーク檄]ブレークするのは“強烈な個性”

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ご当地アイドル「まなみのりさ」の(左から)まなみ、みのり、りさ

 スポーツ報知の芸能記者が本音をぶつける座談会シリーズ「檄!!」。今回は音楽担当記者が今年の音楽シーンを分析する。ヒットチャートを見渡せば、AKB48やK―POP、ジャニーズといった固定ファンを味方につけた勢力が圧倒的。めぼしいヒット曲は出ていない。特に新人にとっては受難の時代。そこで、強烈な個性で頭角を現しそうな期待の新人を紹介する。

 A 今年はヒットチャートが代わり映えしないね。

 B 昨年に続いてAKB48の独壇場です。相変わらずK―POPの勢いも止まりません。

 C ジャニーズ勢は安定してますね。

 A 今年はこの曲!っていうヒット曲がないんだよね。

 C 確かに。全く思い浮かびませんね。CDは売れないし、スマートフォンの普及で音楽有料配信も低迷しているというし、レコード会社は苦しいですね。

 B ベテランでも苦しいんだから、新人にとってはさらに厳しい時代ですね。

 A 新聞紙面を見ていて目立つ若手は、今をときめく「ももいろクローバーZ」と「きゃりーぱみゅぱみゅ」かな。

 C 2組とも個性が半端ないですね。これぐらい強烈なキャラクターがないと、今の時代、生き残れないのかもしれませんね。

 B なるほど。それじゃ、個性が光る注目の新人を挙げてみましょうか。

 A まずは私立恵比寿中学だね。5日の芸能面でも大きく取り上げたけど、「ももクロ」の妹分の9人組。顔はいまどきの女の子っぽいが、キョンシー、ミュージカル「キャッツ」、レディー・ガガといった奇抜なメークを施したり、コント風のパフォーマンスを披露したりと「何でもあり感」は、ももクロ以上だよ。

 C 本人たちは「キング・オブ・学芸会」と自称し、未熟なことをウリにしているけど、スピード感あふれるパフォーマンスは見応え十分。メンバーのキャラクターも個性派ぞろいで、アイドル戦国時代を生き抜くだけのポテンシャルを感じさせますね。

 B 新潟出身の女性3人組アイドルNegicco(ねぎっこ)もいいですよ。「圧倒的なスタイル」が今年1月からフジテレビ系「めちゃいけ」のエンディングテーマに起用され、脚光を浴びました。

 A 03年に地元の「やわ肌ねぎキャンペーン」のPRユニットとして結成され、当時はNHK「ポップジャム」に出演したり、全国的なアイドルオーディションでグランプリを獲得するなど注目を集めたが、ブレークには至らず、地道な活動を続けていたんだ。

 C 地方発のアイドルといえば、広島から出てきたPerfumeが有名ですけど、Negiccoはそのまんまなユニット名や、ネギをイメージした衣装(白、緑)といった素朴さが逆に新鮮。下積みが長かったので、パフォーマンスにも安定感がある。そして何より演歌的なドラマ性を持っているのが魅力。政治や経済でも「地方の時代」などと叫ばれてきたが、彼女たちこそ「諦めなければ報われる」を体現した本物の「アイドル界の地方の星」です。

 B まなみのりさも気になっています。昨年末の「ご当地アイドル」の頂点を決める「U.M.U AWARD 2011」でグランプリに輝いた広島の現役女子大生3人組です。実はPerfumeを輩出した「アクターズスクール広島」に所属しているんです。

 C 17歳の女子高生シンガー・ソングライター家入レオも注目ですよ。キュートな容姿とは対照的に、圧倒的な目力と突き刺すような鋭いボーカルが印象的です。YUI、絢香を輩出した福岡の音楽塾出身で、実力派シンガーとしてデビュー前から期待度は大きい。歌詞がストレートに入ってくる力強い歌声には自然と吸い寄せられるし、ライブでは音楽が大好きだという気持ちが伝わってきます。

 A 反骨精神でカリスマ的人気を得た尾崎豊をリスペクトするが、その尾崎のように「家入らしさ」を出していければ、2~3年後が楽しみな存在だね。

 C 青森・むつ市在住の男女2人組バンドamazarashiはどうですか。メディアへの露出がほとんどないにもかかわらず、その楽曲のクオリティーだけで、渋谷公会堂のライブを成功。一度聴いたら忘れられないボーカル・秋田ひろむの直線的な歌声で、社会風刺やリアルな世界観を独自の感覚で紡ぎ出します。

 B ダンス系が全盛の今の音楽シーンでは異質なバンドで「重たい」「暗い」の印象で敬遠されがち。それでも、昨年11月発売の初アルバム「千年幸福論」はオリコン12位と、既に人気は全国区に。「カリスマ性」という点では、申し分ないのかも。

 A 昨年メジャーデビューした日米ハーフで宮崎県在住のシンガー・ソングライター、井手綾香も注目だよ。母方の祖父がトロンボーン奏者のビル・ワトラスで、1976年のグラミー賞にノミネートされているんだ。

 B 最後は2010年のEMIのオーディションからデビューした女性シンガー・ソングライター、田中茉裕(まひろ)です。グランプリには選ばれなかったけど、インディーズで発売した「小さなリンジー」というCDが下北沢で話題となり、今年3月に全国発売されました。

 A FMラジオで偶然、耳にしたんだが、一度聴いたら忘れられない特徴のある声がとても印象的だった。また、歌詞の世界観もオリジナリティーがあった。なんとなく「女・スナフキン」という印象を受けた。高校卒業したばかりの18歳とは思えない、確固たる音楽性に驚かされたよ。

 C こうやって挙げてみると、ほとんどが女性ですね。男性陣にも期待ということで。

 一同 ヒット曲、待ってます!

特集   芸能情報局

[2012/5/11-13:16 スポーツ報知]

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