政府が関西電力大飯原発３、４号機の再稼働で夏の電力不足が解消できるとの試算を示したことについて、滋賀県の嘉田由紀子知事と京都府の山田啓二知事は１１日、「出来上がったストーリーのような数値」「安全性は置き去りにして見切り発車する気なのか」などと批判した。大阪市の橋下徹市長は、再稼働なしでも安定供給できる具体案を府市エネルギー戦略会議で策定する方針を示した。

　嘉田知事は関電の試算が変更されたことについて、「小出しにされると何を信用すればいいか分からなくなる」と不信感を示した。一方、「再稼働しない時の不足をどう補うか、具体策を議論する出発点にようやく立った」と述べ、関西広域連合で節電対策のアクションプラン（行動計画）作りを進めるとした。

　京都府の山田知事は「政府は地元理解を得るような行動を取っていないのに、夏場の需給関係だけを強調する」と不快感を示し、「政府や関電から具体的なアプローチはなく、（政府に求めている安全対策などの説明については）なしのつぶて。マスコミに訴えるしかないのか」と怒りをにじませた。