小沢一郎・民主党元代表 |
資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐり、政治資金規正法違反(虚偽記載)の罪に問われた民主党元代表・小沢一郎被告(69)を無罪とした東京地裁判決に対し、検察官役の指定弁護士は9日、控訴した。小沢氏の無罪は確定せず、東京高裁で裁判が続くことになった。
3人の指定弁護士は同日午後2時から東京都内で記者会見を開き、「見過ごせない事実誤認があり、十分に修正できると考えた」などと理由を述べた。検察がいったん不起訴にした後、市民11人で構成する検察審査会の判断で強制的に起訴され、判決が言い渡されたのは小沢氏を含めて2件で、いずれも無罪。先に那覇地裁で無罪判決が出た詐欺事件でも、判決を不服として指定弁護士が控訴している。
小沢氏の起訴内容は、陸山会が2004年10月に東京都世田谷区の土地を購入した際、小沢氏から借りた4億円を04年分の政治資金収支報告書に収入として記載せず、約3億5千万円の土地代金の支出も05年分の収支報告書に遅らせて記載した――というもの。
先月26日の東京地裁判決は、自らの4億円を記載せず、土地代金の支出の記載を先送りする方針について、小沢氏は石川知裕衆院議員(38)ら元秘書から報告を受け、了承していたと認定した。しかし、「4億円の収入と土地代金の支出を04年分に計上すべきだと認識していなかった可能性がある」などと指摘。小沢氏の故意について十分な立証がなく、元秘書との共謀は問えないと結論づけた。