政府検証「期待外れ」 大飯再稼働で嘉田知事
滋賀県の嘉田由紀子知事は11日、今夏の電力需給予測で、関西電力大飯原発3、4号機(福井県)が再稼働すれば、関電管内での深刻な電力不足が解消されると示した政府の需給検証委員会について、「脱原発依存への構造転換を期待していたが、今までのスキームのまま数字を出してきて期待外れだった」と指摘した。
政府の検証委員会は、原発が稼働せず2010年並みの猛暑が8月に訪れた場合、関西で15・7%不足するとし、再稼働すればほぼ解消できるとした。
嘉田知事は「再稼働したら需要と供給がぴったり合うという最初から出来上がったストーリーの数値が出てきている。大事なデータでようやく出発点に立ったが、だからといって再稼働ではない」と説明。今後は関西広域連合で産業界の電力を確保しながら節電するアクションプランを示すほか、広域連合のプロジェクトチームで揚水発電も含めた具体的な数値を関電に聞く考えも示した。
また山田啓二京都府知事と提案した共同提言に対し、政府が示した再回答については「十分とはいえず、政府は熱心に消費地の理解を得ようとは思っていない」と不満を漏らした。
【 2012年05月12日 10時13分 】