・・・ フィラリアについて ・・・


フィラリアの予防について

フィラリアの予防を理解するためには、
フィラリアの成長過程(ライフサイクル)を知ることが大切です。

成長過程(ライフサイクル)

1. フィラリア(成虫)は、犬の肺、心臓に寄生します。
    ↓
2. このフィラリア(成虫)のメスは交尾すると、犬の体内でミクロフィラリア(子虫1)を産みます。ミクロフィラリア(子虫1)は、血液中に出てきますが、このままフィラリア(成虫)にはなりません。
    ↓  また、ミクロフィラリア(子虫1)の寿命は、1〜2年です。
3. ミクロフィラリア(子虫1)を持った犬の血を蚊が吸うと、蚊の体内にミクロフィラリア(子虫1)が入ります。
    ↓
4. 蚊の体内に入ったミクロフィラリア(子虫1)は、蚊の中で成長し、第3期子虫(感染幼虫)になります。
    ↓  ミクロフィラリア(子虫1)が、第3期子虫(感染幼虫)になるには一定の気温条件が必要
5. この第3期子虫(感染幼虫)を持った蚊が犬の血を吸うと、犬の体内に
    ↓ 第3期子虫(感染幼虫)が入ります。
6. 第3期子虫(感染幼虫)は、1〜2ヶ月かけて第4期子虫に成長します。
    ↓ フィラリアの駆虫薬(予防の薬)は、第3期子虫(感染幼虫)、第4期子虫を駆除するものです
7. 駆除されなかった場合は、第5期子虫(未成熟虫)を経て、フィラリア(成虫)となります。
    ↓ 成虫の寿命は、5〜7年と言われています
8. フィラリア(成虫)が雌雄いる場合は、ミクロフィラリア(子虫1)が産まれますが、このミクロフィラリア(子虫1)が血液中に出てくるまでに、感染から約7〜8ヶ月かかります。その年にフィラリアに感染したかを知るには、翌年の駆虫薬投与直前に検査をするのが確実です。

詳しい成長過程(ライフサイクル)は、こちらをご覧ください
http://homepage2.nifty.com/MOMINOKI/filaria-life2.htm

フィラリアの検査方法
1. 顕微鏡で血液中のミクロフィラリア(子虫1)の有無を調べます

ミクロフィラリア(子虫1)が血液中に現れるまでの期間を考えると、駆虫薬投与の直前に検査をするのが確実です。この検査では、成虫がオスだけメスだけの場合は、ミクロフィラリア(子虫1)は陰性となります。
フィラリア症の症状が出ていない場合は、この検査だけで問題はありません。
ミクロフィラリア(子虫1)陽性の場合、顕微鏡の像を見せてくれることがあります。たった1滴の血液中に 数え切れない数のミクロフィラリア(子虫1)がいます。実際に見ると、これが、全部成虫になったらと頭の中が真っ白になるかと思います。
成長過程にありますように、このままでは、成長しませんので、冷静に対処して下さい。
2.
 
検査キットを使って、フィラリア(成虫)がいるか調べます

フィラリア(成虫)の抗原が陽性の場合、フィラリア(成虫)がいます。
フィラリア症の症状が出ていて、顕微鏡でミクロフィラリア(子虫1)が見つからない場合は重要な検査ですが予防だけを考えると必要ありません。
フィラリア予防(駆虫)方法

一般的には、月に1回薬を飲ませます。
フィラリアの薬は、予防薬ではありません。蚊に刺され、犬の体内に入った虫を、成虫になる前に殺す薬です。予防には、新しい薬、新しい方法を進めれれることもあります。
動物の薬は、農林水産省が管理ですから、人の薬よりも認可が緩い傾向があり、副作用が、明確でないこともあります。緊急性がない場合は、従来の薬、従来の方法など、確実なデータがある方が安心できるかと思います 。
新しい薬、新しい方法に切り替える場合は、十分に話しあって下さい。

薬を飲む期間

フィラリアの成長過程(ライフサイクル)にあるように
 蚊の体中のミクロフィリア(子虫1)が第3期子虫(感染幼虫)になると犬に感染を起こします。
 第3期子虫(感染幼虫)になるには、一定気温が必要ですので、気温によって、飲む期間が決まります。
 
 飲む期間を決めるのは、HDU(Heartworm Development heat Unit)という概念で計算されます。

1日HDU=日平均気温-臨界温度(14゜C)       日平均気温=(日最高気温+日最低気温)÷2

1日HDU足していき、合計が130になった日が感染開始の日になります。
感染終了日は、30日間の合計が130を切る日になります。
各地域のHDUが130以上の期間(薬を飲む期間)は、こちらのHPに載っています。
http://www.petportal.jp/php/hdu.php

駆虫薬は、第3期子虫(感染幼虫)、第4期子虫に効果があります。
ミクロフィラリア(子虫1)にも効果がありますので、陽性の場合は、注意1をお読み下さい
第3期子虫(感染幼虫)が第4期子虫に成長する期間が、1〜2ヶ月ありますので、この期間を考慮して、感染開始日(HDU130以上になった日)から、1ヵ月後が駆虫薬の投与開始となります。
飲み忘れないように、月末または、月初めが指示されると思います。一番、大切なのは、終わりをきちんとすることです。第3期子虫(感染幼虫)、第4期子虫に効果があるお薬なので、飲み初め半月遅れたり、飲み忘れが半月あっても駆虫には問題ありませんが、飲み終わりが早すぎると、駆虫されない場合があります。
飲み終わりの日を、獣医さんで確認するようにして下さい。

例えば、千葉の場合
http://www.petportal.jp/php/hdu.phpの表から
感染開始日の一番早いときが、5/7ですので、薬を飲むのは、5月末か6月初めになります。
感染終了日の一番遅いときが、11/9ですので、最後に薬を飲むのは、11月末か12月初めになります

*注意1
ミクロフィラリア(子虫1)陽性の場合
 駆虫薬によって、大量のミクロフィラリア(子虫1)が死亡し、ショックをおこす場合があります。
 フィラリア駆虫薬に合わせて、ショック予防のお薬が必要です。
 毎年、フィラリア予防をしていても、お薬の吸収が悪く、駆虫がうまくいかない場合もありますから
 必ず、検査を受けて下さい。

もし、フィラリアに感染していたら

獣医さんでは、4つの治療方法を説明されると思います。
どの方法を選択する場合も、獣医さんと十分に話し合って下さい。

   1 . フィラリアを殺す薬を注射する方法
    ヒ素系の薬を注射して、体の中の虫を3回に分けて殺す方法犬が死亡する確率も2〜3割くらい、あります。薬で一気に虫が死亡ので、死んだ虫は、そのまま体内に残り、血管や肺に詰まる可能性が高く、肺に詰まったら、犬も死亡します。
   2 . カテーテルで、心臓のフィラリアを取り出す方法
    血管から管を入れて、心臓の中にいるフィラリアを取り出す方法獣医さんの熟練度、施設の設備が必要なので、どこの獣医さんでも可能な治療ではありません。
獣医さんが慣れていれば、危険度は低いです。
ただし、全身麻酔のため心臓へ負担がかかります。
特に、フィラリアのわんこは、心臓に寄生していることがありますから注意が必要です。
   3 . フィラリアの駆虫薬を1年中飲む
    フィラリアの駆虫薬は、成虫を弱らすので1年中飲んで成虫の寿命を短くするフィラリアの薬は、大抵の寄生虫に効果があると言われています。
しかし、寄生虫の薬は、フィラリアには、効果がありません。
1年中飲ませる効果は、最近、言われ始めたことですので、飲み続けた場合の副作用が有るか無いか不明です。
もし、1年中、飲ませる場合、少しでも、薬を減らしたいと思うかと思います。
元々フィラリア駆虫薬は、第3期子虫(感染幼虫)、第4期子虫を殺す目的ですので、第3期子虫(感染幼虫)が第4期子虫に成長する期間の1〜2ヶ月を計算して、40日間隔で飲ませると、1年で、2回分減らすことができます。
この場合も、必ず、投与期間をきちんと守って下さい。
また、ミクロフィラリア(子虫1)の有無を必ず確認して下さい
   4 . フィラリアの自然死を待つ
    心臓のフィラリア(成虫)の寿命は、5〜7年なので、フィラリア(成虫)を増やさないように予防しながら、今いるフィラリア(成虫)が自然死するのを待つ方法。
毎年の予防を絶対に忘れないことが必要です。
この場合も1同様に死んだ虫は体内に残るのですが、薬で一気に殺すわけではないので、動物の体が持つ体内の異物を掃除する働きによって、血管や肺に死体が詰まる可能性は極めて低いだろうと思われます。
この方法は、気長な方法ですが、安全性は高いです。
(ただし、何かフィラリア症の症状がでた場合は、獣医さんで、対処療法をして下さい)
また、下記の注意事項を必ず守って下さい。
 … 1. 毎年の予防を絶対に忘れないこと。
 … 2. 予防の際、ミクロフィラリア(子虫1)の有無を必ず確認し、ミクロフィラリア(子虫1)陽性の場合は、ショックを起さないように薬を1種類追加されますので、獣医さんから処方される薬が2種類であることを確かめること。
2種類、同時に飲ませられないわんこは、先にショックを抑える薬を飲ませます。
陰性の場合は、薬は1種類です。詳しくは、フィラリア予防方法をご覧下さい。
 … 3. 駆虫薬を飲んだ後、体調には、気をつけること。

(ももははさんより記事提供)

貧血時の対応

フィラリアに感染しているわんこは、 興奮したり、運動量が多いと倒れることがあります。
腹水、腎不全など2次症状がない場合は、貧血かと思います。

心臓は、全身に血液(酸素)を送る働きをしています。フィラリアの寄生している心臓は、膨らました風船の中にゴムボールがある状態を想像して下さい。風船の空気を抜く(心臓が血液を外に出した状態)と、風船はしぼみますが、ゴムボールの大きさ以上はしぼみません。
また、ゴムボールが大きければ、しぼんだ風船の入り口もゴムボールで塞がられるので、次に空気を入れて膨らませよう(血液が心臓に戻ってきた)としても、入り口が狭いので空気が入りにくいです。
ゴムボールの大きさが少しづつ小さくなれば、風船もしぼんだときにゴムボールの周りに余裕ができます。
風船(心臓)の大きさは一定なので、ゴムボール(フィラリア)の大きさでしぼんだときのゆとりが違います。

貧血で倒れた場合は、すぐに自分から起き上がりますので、焦らず対応して下さい。 また、
倒れるときに、家具の下、車の下に滑り込んでしまうことがありますので、倒れそうに感じたら、四肢を支えて立ち姿勢を保って、あげて下さい。何回か見ていると倒れるときが判るかと思います。滑り込む可能性がある場所は、隙間をふさいでおくことも大切です。
 

倒れたら、 1  .  首を伸ばして、鼻と胸を一直線のような体制にします。
     (貧血の場合は、大抵ここで自力で起き上がります)
  2  .  呼吸しているか確認します。
     (お腹が、動いているか見て下さい)
  3  .  動かさずに獣医さんに連絡して下さい。
     (子機や携帯電話で、獣医さんと話ながら、自由に動ける状態が良いと思います)

 (ももははさんより記事提供)

フィラリア症の悪化について

フィラリア陽性の多くの子は 予防薬の通年投与や通常投与で数年後には陰性となります。
しかし、中には症状が悪化する子もいます。
一般的に、症状の悪化に伴い“疲れやすい”、“咳”、“貧血”、“心雑音の悪化”などの症状出てきますから【フィラリアなんか怖くない!】にもあるますように、ケアをしながら生活が出来ます。
が、極まれに無症状のまま いきなり血尿が出る場合があります。

保護犬レミは 無症状のままいきなり血尿が出て お星様になりました。
あなたは家族だった〜急性フィラリア症でお星様になったレミの闘病記〜
レミは 無症状だったため、血尿が出た時は“膀胱炎”と“急性フィラリア症”との区別がつきかねました。

フィラリア陽性の子で、もしも血尿が出たら、下の写真の何番の色だったかを獣医さんにお伝えください。

写真は  「ある泌尿器科開業医のひとり言」 血尿〜尿の色に関して〜  からお借りしました

また フィラリアの成虫が心臓に流れ着くと 心臓の働きが悪くなります。
心臓の働きが悪くなると酸素が不足するので 呼吸が増えます。
咳などの症状がなく、あえぐ呼吸がない場合でも もしも 寝ているときに お腹が波打つような呼吸をしていることがあったら獣医さんに相談して下さい。
この場合は貧血をおこしている可能性があります。

もどる