大変お待たせいたしました!
年が明けてしまいましたが、なんとか更新です!
それでは、どうぞ!
第二十八話 明かされる管理局の裏の一部
暫くして足元に転移魔方陣が現れ、俺達はアースラへと転送された。
アースラ艦内は足元から光が照り出し、非常に見づらい…こんなんでよく視力がやられないな…
なのはちゃんは初めての転移魔法で体勢を崩しかけたが、俺に引っ付いていたため扱けずに無事だった。
そして目の前には青と白の管理局の服装で身を包んだ女性局員――エイミィと、通路には他の局員が出迎えていた。
エイミィ「初めまして、私はエイミィ・リミエッタ。よろしくね、高町なのはちゃん。そして…」
エイミィはなのはちゃんに挨拶をすると、神妙な顔で俺の方に身体ごと向ける。
エイミィ「本日は私どもの者がご迷惑をお掛けして、誠に申し訳ございません」
そう言ってエイミィは腰を90度に曲げて頭を下げた。
周りにいる武装局員もそれに釣られて頭を下げる。
賢治「御託はいい。さっさと上のところに連れて行け」
エイミィ「………はい」
ユーノ「賢治さん…」
賢治「ユーノ、組織に入った者はその組織の看板を常に背負っているという事だ。あの餓鬼がしたのは管理局という看板に泥を塗る事だ。組織に属する者一人がすれば、その組織に属する他の者も同じ事をしていると思われる。組織に入るというのは、その覚悟も必要だ」
ユーノ「………」
賢治「これはたとえ、学校に所属する者も言えることだ。よく覚えておきなさい、なのはちゃん」
なのは「…はい」
リンディside
艦長室で様子をサーチャーで見ていた私には、耳の痛い言葉だった。
看板を背負う…それは、例えどんなに小さな組織に入ったとしても付いて来る人の視線。
私達にも勿論、その家庭で生を受けただけで、その命はその家庭の看板を背負う事になる。
こんな当たり前な事を…私の部下は、息子は…出来なかった…執務官という地位に居ながら、当たり前な事が出来ていなかった…
いいえ、これは私達全員に言えるわね。
リンディ「虚しいわね…」
無意識に出てきた私の呟き…それを後ろで聞いたクロノはどんな表情なのかしら?
賢治side
エイミィに案内され、通された部屋に入るとそこは、記憶通りの何処か間違えた和室ではなく、ソファにテーブル、デスクと、普通の執務室だった。
そしてそのソファに座り、後ろに控えているのは、緑色の髪を後ろで纏めて管理局の服を身に纏っている、リンディとクロノの二人だけだった。
賢治「さて、話を聞こうか。俺のことはもう知っているから自己紹介は必要ないだろう?」
リンディ「ッはい…」
出鼻をくじかれたリンディは一瞬だけ苦い顔をしたが、俺には全く関係ない。
そもそも艦長であるこいつが部下を扱っていればこんなことにはならなかったのだ。
しかも、クロノの傲慢度が明らかに記憶よりも上回っている。
リンディ「クロノ、今回の不祥事を起こした貴方には一切の発言権利はありません。そこでずっと口を閉じていなさい」
クロノ「…はい…ッ」
正義のためにしていることを自分の味方である艦長、そして母親としても否定されて行き場のない怒りが溜まるか。
はッ、はたから見れば管理外世界で禁忌の魔法戦闘を行う所を止めたと報道されても殺傷力のある魔力弾の雨を撃ち放ったことに世界は抗議の嵐だ。
リンディ「初めまして、私は時空管理局提督、アースラ艦艦長のリンディ・ハラオウンです。先程は私の部下が失礼致しました。そして、ようこそ、高町 なのはさん、ユーノ・スクライア君?」
なのは「は…はい…」
ユーノ「どうも…」
なのはちゃんは緊張してか、はたまた恐怖からか、俺の裾を握ってぎこちなく挨拶した。
ユーノは警戒している…記憶とは大違いだ。
ユーノは管理局を当てにしていたはずだが、クロノのあの魔力弾の雨で組織に不信感を持ったのだろう。
俺は挨拶する必要は無い、いや、したくもないので用意されているソファに勝手に座り、なのはちゃんも隣に座らせる。
タイミングよくエイミィがお茶を運んできて、そのままクロノの隣に立った。
そこからはリンディとなのはちゃん、ユーノの会話だけが執務室の中で飛び交っていた。
何故ジュエルシードが地球にあるのか、何故ユーノが集めるのか、何故魔法を手にしたのか、あの少女は何者なのか…どれも俺の記憶通りの内容だった。
リンディは俺に視線を向けてきたが、直ぐに視線をなのはちゃん達に向けた。
俺に話しかけたとしても結果が見えているからだろう。
そして、会話は終盤へと差し掛かった。
リンディ「貴方達はまだ子供よ? これからは私達大人が後を引き継ぐわ。一度、家に帰ってよく話し合ってから、返事を聞かせて?」
賢治「【ざけんなクソアマ】」
『『『!?』』』
ふざけやがって…! 人が黙っていたらとことんのぼせやがる…ッ!
賢治「てめぇ…9歳の子供に何吹き込んでんだ? あ゛?」
エイミィ「な、何で…ッ!?」
賢治「何が話し合えだ。そんなことさせたら子供の事だ。絶対に協力すると答えるに決まってんだろうが…!」
リンディ「ッ…」
賢治「よくもまぁ俺が居る所で堂々と嵌めようとしやがったなてめぇは…!」
クロノ「貴様!」
リンディ「黙りなさいクロノ!」
今まで沈黙を保っていたクロノが口を挟んできた。
クロノ「艦長! こんな犯罪者に加担するような奴にこれ以上好き勝手言わせていいのですか!?」
犯罪者だと…こいつは何処まで管理局主義なんだ?
こいつの発言が管理局を更に窮地に立たせているというのに、こいつは自分の言っている事が絶対正義とばかりに叫ぶ。
リンディ「誰のせいでここまで最悪な結果を招いたと思っているの!! 貴方は権力を振るうが為に執務官になったとでも言うの!?」
クロノ「しかし!」
???「―――傲慢な組織に居れば傲慢な者にしか育ちませんか」
ん、この声は…
<カツ、カツ、カツ、カツン―――>
???「そこの執務官がいい例です。己が招いた問題に責任を全く感じていない…まさに管理局のありのままの姿です」
クロノ「何者だ貴様!」
リンディ「クロノ!!」
<ジャラララララッ、バチィンッ、バチィン!>
クロノ「!?」
リンディはクロノをバインドで雁字搦めにしてその場に固定した。
その際、クロノのデバイスを取り上げるのを忘れていない。
リンディ「…失礼、あなたは?」
???「私ですか? 私はクラジェンタ社員の金本 シルフィ。そして…私の嘗ての名は―――シルフィ・ヴェッツ」
リンディ「ヴェッツ…まさか、貴方は…!?」
シルフィ「そう、私は貴方達管理局に勝手に管理世界に指定され、証拠隠滅の為に星ごと滅ぼされた第35管理世界【ユーラヴァリオン】の、ヴェッツ王国一族の只一人の生き残りです」
彼女、シルフィ・ヴェッツは二年前に…ボロボロで瀕死の状態で地球に転移をして来たのをクラジェンタが偶然保護した。
彼女が意識を戻して世界を聞き、元の世界を特定してサーチャーで見ると…星が存在していなかったのだ。
それを知ったアルフィは絶望の淵に陥ったかの様に生きる気力を失くしていたが、その絶望から這い上がってこれたのは、彼女が今も首に下げているブローチ…両親から誕生日プレゼントに貰ったブローチと、その中に隠されていたアルフィへの遺言。
そして、同じ境遇や似た境遇を持つ者達の支えが有っての事だ。
二年…たった二年でアルフィは周りの若者と変わらない程に明るくなり、そして地球で男性と添い遂げた。
そして、この様な経験する必要が皆無な経験をさせた管理局を良く思っていない…いや、恨みを持つのは当たり前だ。
クロノ「そんな…ユーラヴァリオンは環境破壊質量兵器による戦争で生き物が住めなくなり、消滅したと報告が…」
エイミィ「に、ニュースにも、そう取り上げられて…」
なのは「え、消滅って…ニュース? え?」
ユーノ「ど、どういうこと…ですか?」
………あの忌々しい放送のことか。
シルフィ「情報操作は管理局の十八番。権力と人質を取ってでっち上げた内容であったとしても、大々的に放送してしまえば、人々はそっちを信用する―――」
賢治「―――お前はわかっていたんだろう、リンディ?」
『『え!?』』
リンディ「………」
沈黙は肯定。
簡単な事だ。
ガンダムの世界でも戦争は起きていた。
コロニー落とし、核兵器、様々な環境破壊兵器が投入されながらも、惑星は滅びなかった。
大地は、いや母なる全ての星は、その程度では消滅はしない…気が遠くなる程の年月をかけて、生命が再び芽生えるのだ。
それを、高が核兵器や人間が作る兵器で星を道連れになんか出来はしない。
それこそ10つのアルカンシェルを一斉に撃ち込めば滅びるが、ユーラヴァリオンの事を他所の世界で調べた所、質量兵器は精々核兵器で止まっていた。
魔法文化も有るが、戦争で星が滅びるなんて技術はなかった。
賢治「クラジェンタに居る社員の半分は異世界の者達だ。それも、皆自分の居場所を失った者達だ」
リンディ「………」
エイミィ「………」
クロノ「………」
賢治「わかったか? テメェら管理局が勝手に介入したせいで故郷を失った者達が占めている。それも、従わなければその世界を滅ぼし、気に入らない者は権力を使って暴力を振るうテロリストだ。俺達クラジェンタが世界に公表しないのは、怒りの矛があまりにも多過ぎで管理局を世界から消滅させても不完全燃焼になるだけだからだ」
クロノ「そんな……管理局が……」
賢治「お前達はクラジェンタに命を救われてんだ…次に管理局は絶対なんざ抜かしてみろ…【無事じゃ済まさんぞ?】」
俺は再度殺気と溢れ出るゲッター線を発しながら警告を残し、なのはちゃんとユーノ、シルフィを連れて去った。
―――海鳴公園
転移魔法により、俺達は海鳴公園に戻ってきた。
俺の横にいるなのはちゃんとフェレット状態のユーノは、管理局の裏を知ってショックを受けているように暗い…それもそうだろう。
正義を翳す、地球でいう警察のような組織が私利私欲のために力を振るって強引に聞かせているのだから…そして、その術中に自分がはまりそうになったのだから…
賢治「わかったかい、なのはちゃん?」
なのは「………」
賢治「君は魔法に関わってしまった以上、管理局との接触は避けては通れない。だから、前にも言ったように強くならないといけない…こんな小さい9歳の子に酷なことだが、俺達クラジェンタが全力で君を管理局の連中からサポートする。そしてこの事は既に、君の家族は知っているよ」
なのは・ユーノ「「え!?」」
賢治「君の両親は既に、君が何かに関わっていると言う事は知っていたが…君が話してくれるまで待っていてくれてた。だが今回で分かっただろう? 管理局は自分達の都合が悪くなれば、星すら滅ぼして証拠隠滅するんだ。そんな連中と関わっているのに何時か話してくれると待っていては…君の命が危ない。そうでしょう? 士郎さん、桃子さん?」
<―――ザッ>
なのは・ユーノ「「!?」」
公園の木々から二人が現れ、二人は跳ね返るように振り向いた。
二人の表情は、とても悲しく、複雑な表情をしていた。
シルフィ「勝手ながら、私がお連れしました」
賢治「…そうか」
士郎「…すまない。俺達はなのはが自分の口で、話してくれるのを待っていた…だが…」
桃子「シルフィさんが言う程、酷い組織がなのはに絡んでくるとなると…親として黙って待っているわけには行きません…」
なのは「そんな…じゃぁ…お姉ちゃん達も…」
士郎「いや、二人は知らない…だが、何かに関わっているというのには感付いてはいる」
この家族は本当に凄い。
だがこの勘の良さを何故、なのはちゃんが幼少の頃に発揮しなかったのか…
ユーノ「それなら、僕の正体も話す必要があります」
なのは「ユーノ君!?」
ユーノside
うすうす気付いていた。
なのはの家族が、なのはが何かに関わっているのではないかと言うことに…
でも、家族の方達はなのはが話してくれるまで待っているつもりと今言っていたけど、管理局があそこまで酷い事をしているとわかった以上、僕も信用は出来ないし、なのはを巻き込んでしまった僕の正体も明かさないといけない。
僕はなのはの肩から下りて少し離れ、変身を解いた。
なのは「………え?」
士郎「なんと……」
桃子「あらあら、なのはと近い年の子ね」
ユーノ「……初めまして、僕が…僕が、なのはを巻き込んでしまったユーノ・スクライアです」
僕の姿を見て母親の方は違う意味でびっくりしているけれど、今はその事に突っ込みを入れる気力は無い。
僕は、二人になのはを巻き込む前と、巻き込んだ後の二つの事を説明した。
二人は何も言わず、じっと僕の話を聞いている。
僕にとっては長い、今までの経緯を説明し終えた。
士郎「……君も、大変だったんだね」
ユーノ「えっ?」
桃子「自分が起こした問題を自分が片付ける…この心意気は良い事よ? でも、なのはと変わらない幼い子が、こんなにも重大な問題を一人で解決しようとするのは…頂けないわ」
何で…僕は、なのはを危険に巻き込んだというのに、何で僕の事を叱って…?
士郎「状況が状況である以上、俺達は君を責めることは出来ない。だが、なのはを…大切な娘を危険な事に巻き込んだ事を許すという訳ではない」
なのは「お父さん!」
桃子「なのは」
なのは「お母さん…」
桃子「これは親として当たり前の考えなの。頭で分かっていても自分の大切な家族が巻き込まれれば、親として穏やかでは居られないの」
親…僕にはスクライア族が家族であって、本当の両親は居ない。
でも、スクライア族は誰かが傷ついたり、倒れたりすれば全員が我が子、我が兄弟の様に全員が心配していた。
それと同じかどうかはわからないけれど…でも、僕は二人の娘を巻き込んでしまった。
これに対して僕はどう言われても、反論は出来ない。
士郎「ユーノ君。君はこれからどうしていくんだい?」
ユーノ「え?」
どういう…こと…?
士郎「君はその探し物を集め終えた後、どうするんだい?」
ユーノ「…分かりません。スクライア族のところに戻って発掘を再開するか、もしくは別の世界に旅をするか…」
士郎「…ならば、なのはの傍にいてくれないか?」
ユーノ・なのは「「えッ!?」」
士郎「恥ずかしい話、なのはが幼少の頃、俺達はなのはの話を聞く所か、傍に居る事すら出来なかった。君がフェレットの状態で来てくれてからなのはが、今まで以上に内面から明るくなった」
桃子「だから、なのはが魔法を自分で全て、扱えるようになるまでの間は傍に居てちょうだい。そして、なのはが魔法を扱えるようになったら…答えを聞かせて?」
………ありがとう…ございます…ッ!
ユーノ「精一杯…やらせて頂きます…!」
―――アースラ
ミゼット『貴方達は、敵に回してはならない組織を…それもトップを敵に回したわね』
リンディ「面目次第もございません…」
黒崎が去ってから少しして、アースラに匿名通信が入った。
リンディがその通信を開くと何と、三大提督からの通信だった。
まさか管理局トップの三大提督が匿名通信で自分達に通信を入れてくるとは思わず、アースラ組全員が戸惑っていた。
レオーネ『あれほど…あれほど、地球で管理局を名乗ってはならないと、再三忠告していたというに…無駄足だったようだな…』
クロノ「………」
ラルゴ『我々が目の届かない所で局員がしてきた数々の所業。それらを粛清し、後始末をしてくれたのはクラジェンタだ。恩を仇で返すようなことをすれば、誰でも憤りを感じる』
リンディ「………」
ミゼット『こうなってしまったら仕方ないわ。今回のジュエルシードの一件、何としてでも貴方達も参加しなさい。クラジェンタを敵に回したままでは、我々管理局の面目が立たなくなるわ』
リンディ「はい、必ず」
<―――ブゥン>
三大提督との通信は、ここで途切れた。
リンディ「クロノ、分かったわね?」
クロノ「…」
リンディ「貴方のあの勝手な行動で、私達はとんでもない存在を敵に回したわ…」
クロノ「………」
三大提督にまで言われて、クロノも気付いてくれたかしら…
黒崎会長が言っていた看板を背負う…このことを私達全員が、再認識しないといけない。
リンディ「あなた…」
私は…とんでもない世界に足を踏み入れてしまったわ…
私は…これから、どうすればいいの…?
最後がグダグダ…そして士郎さんと桃子さんは、こんな感じでいいのでしょうか?
士郎さんは他所の小説等を見ますと、なのはに近付く男には全員敵意を持っているのですが…
ユニコーンには、こうするしか話を進めれませんでしたorz
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