フィリピン  2012年2月6日（月曜日）
テイクオフ：海賊版ＤＶＤを店頭で物…［社会］

海賊版ＤＶＤを店頭で物色する姿が撮影され、窮地に陥っていたリヤマス大統領顧問。政府は「厳密には違法行為ではない」として厳重注意にとどめ、免職などのペナルティーは課さない方針を固めた。

米国の知的財産権に関する「一般監視国リスト」からの脱却を目指し、海賊版ＤＶＤなどの撲滅を訴える政府にあって、その要職にある人物が購入していたとあっては、やはり立場上問題だろう。昨年の海賊版製品などの押収が過去最高額に達し、取り締まり強化の成果が強調されていた時期だけに余計に間が悪かったとは言える。

とはいえ、知的財産権への意識が定着しているとは言い難い当地にあって、海賊版ＤＶＤを利用していた（あるいは現在も利用している）政府関係者は本当に同顧問だけなのだろうか。今回の事実上の「おとがめなし」にそのあたりの事情が見え隠れする気がする。（須）