ビックカメラ:規模拡大で生き残り 家電市場縮小で苦しく
毎日新聞 2012年05月11日 21時33分(最終更新 05月11日 22時23分)
家電量販店5位のビックカメラが同6位のコジマを買収したのは、規模拡大によって苦境が続く業界での生き残りを図る狙いがある。少子化などで市場の縮小傾向は今後も続くとみられ、業界を取り巻く経営環境も悪化する一方なだけに、今回の買収がさらなる業界再編の起爆剤となる可能性もある。
「単純な規模拡大はだめ。相乗効果をどこまで発揮できるかが重要だ」。ビックの宮嶋宏幸社長は11日の記者会見でそう述べ、お互いが補完し合える相手と組むことの重要性を強調した。両社の売上高合計は約1兆円に達したものの、最大手のヤマダ電機の2兆円超には及ばない。ビックはヤマダに対抗すべくM&A(合併・買収)を積極的に展開してきただけに、業界には新たな提携をいぶかる声は消えない。
今回の買収で家電量販店の業界は主要6グループに再編された。かつては都心部の主要駅周辺を中心に大規模店舗を展開してきたビックや業界4位のヨドバシカメラと、郊外型店舗が中心のヤマダや2位のエディオン、コジマなどが一定のすみ分けを行ってきた。