(CNN) 南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)の領有権をめぐって緊張が続く中国とフィリピンの関係に、緊張緩和の兆しが見えてきた。
フィリピン外務省の報道官は「事態の沈静化に向け、新たな外交提案に着手するため努力を続けている」と発言。これに対し中国外務省の報道官は、フィリピン外務省の行動と発言に注目してきたと述べるとともに、フィリピン外務省とマニラの中国大使館が接触していることを認めた。
スカボロー礁はルソン島から約200キロ離れた南シナ海に浮かぶ小島。周辺には鉱物資源や天然ガス、石油資源が豊富に眠ると見られており、中国とフィリピン双方が領有権を主張している。
緊張が高まったのは4月10日。スカボロー礁付近でフィリピン海軍の艦船が中国漁船を取り締まろうとし、中国の監視艇に阻止されるという事件が起きた。
中国軍や政府系の新聞が中国の領有権を強硬に主張し、軍事衝突も辞さない論調を打ち出すなか、7日には中国の傅瑩外務次官がフィリピンのアレックス・チュア大使と会談。新華社通信によれば会談後、傅外務次官は状況を楽観視しておらず、中国はあらゆる状況の悪化にも対応する用意があると述べたという。
また中国政府高官は10日、フィリピン政府が反中国デモを扇動しているとの非難を繰り広げた。中国国営メディアによれば、中国政府はフィリピンにいる中国人にデモが予定される日には外出しないよう呼びかけたほか、中国の旅行会社はフィリピンへのツアーを中止したという。