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'12/5/11

バス事業継承「不便」の声も



 呉市のバス事業を広島電鉄(広島市中区)が4月に引き継いだのに伴い、スロープ付きバスの運行が不規則になった。車いす利用者から「不便になった」との声が上がるが、同社は現時点で決まった便に使うのは困難と説明。譲り受けた旧市営バスを「広電カラー」に塗り替えており、車両繰りの問題があるという。一方で「要望があれば検討したい」とする。

 市営バスを運行していた旧市交通局は、39台のスロープ付き車両を決まった便に割り当てていた。全便数の約2割。時刻表には、該当する便の出発時刻の前に○を明記。バス停の時刻表は該当便の時刻を□で囲っていた。ほぼ予定通り運行していたという。

 同社は現在、市内で運行する車両を148台所有している。うち138台を交通局から譲り受けた。「8月末まで順次、車両を塗り替える。その間は各便の車両は不規則になる」と時刻表から印を外した。代わりに当日のスロープ付きバスの運行について、営業課が問い合わせに応じることにした。

 車いすで週2〜6回バスに乗る呉市吾妻のNPO法人スタッフ礒本直和さん(39)は「前は時刻表に合わせ行動できた。今はその都度電話する必要があり、予定が立てにくい」と改善を求める。

 同社が呉市で運行するスロープ付きノンステップかワンステップバスは計48台。8月末までにノンステップ車両を10台増やし、約半数の便にスロープ付きを充てる考え。

【写真説明】JR呉駅近くのバス停に到着したノンステップバス。4月から決まった便での運行が困難になっている




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