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【社会】

業務用 契約変更で割安に 東電また説明せず

2012年5月11日 07時02分

 東京電力による大口需要者向け料金が四月一日から値上げされた問題で、一般的な「業務用電力」から、夜間料金が安い「業務用季節別時間帯別電力」に契約変更すれば割安になるケースがあるのに、東電側が一部の大口需要者に対して十分な説明をしていなかったことが分かった。

 大口需要者のマンション管理組合の一部が東電に抗議したことから発覚した。「季節別時間帯別」は、昼間より夜間の料金を低く設定する一方、夏季の午後のピーク時を割高にする制度。マンションは廊下の照明など夜間の使用が多く、安くなりやすい。契約変更を認められたある管理組合の場合は、前年比約5%の削減になるという。

 東電側は管理組合に対し、説明不足を認め、三月にさかのぼって「季節別時間帯別」に契約変更することに応じた。値上げ前の三月三十一日付で一年間の契約変更をしたため、来年三月までは値上げ前の旧料金設定となる。他のマンション管理組合なども同様の要求をすれば、さかのぼっての契約変更が認められる可能性がある。

 マンション管理組合は、廊下などの共用部分の電気料金を五十キロワット以上で契約している場合、企業などと同じ大口需要者とみなされる。大口需要者の電気料金は、四月から平均で約17%値上げされた。東電は契約更新時までは料金を据え置けることの説明を怠り、批判にさらされた経緯がある。

 日本マンション管理士会連合会によると、「業務用電力」で契約をしていた管理組合が抗議したところ、東電側から三月にさかのぼって「季節別時間帯別」に契約変更することを提案されたケースが把握しているだけで他に複数あるという。

 東電広報部は十日、「個別のお客さまとの契約や交渉内容については、公表を控えさせていただきたい」とコメント。他のマンション管理組合が今後、「季節別時間帯別」への契約変更を求めた場合の対応については、「一般論としても答えられない」とした。

(東京新聞)

 

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