【ワシントン】米連邦準備理事会(FRB)は9日、中国の大手国有銀行3行による米国での事業拡大を認めたと発表した。
FRBはまず、中国最大手の中国工商銀行(ICBC)がバンク・オブ・イーストアジア(香港・東亜銀行)の米子会社を買収することを認めた。この米子会社は7億8000万ドル(約620億円)の資産を有し、ニューヨークとカリフォルニアの両州で13の支店を展開している。
ICBCは米国では既にニューヨーク支店を通じて営業している。
FRBとの合意によると、ICBCの東亜銀行米子会社買収には、政府系ファンド(SWF)の中国投資(CIC)と、その傘下の中央匯金投資も銀行持ち株会社を設立して共同参加する。ICBC株の70%は中国政府が保有している。
またFRBは中国第3位の銀行、中国銀行がシカゴで営業を拡大するのを認める。中国銀行は現在、ニューヨークに2支店とロサンゼルスに業務を限定した支店を1つ持っている。
そのほか、FRBは中国第4位の銀行、中国農業銀行がニューヨークに支店を開設するのを許可した。同行は現在、ニューヨークに駐在員事務所を持つだけだ。
この発表は、FRBのバーナンキ議長が米中戦略・経済対話の一環で北京を訪問し、中国の金融当局者と会談したのに続く動きだ。
会談後、中国政府は中国のブローカーディーラー会社に対する外国人の株式保有比率をこれまでの最大33%から49%に引き上げることを認めた。
米大手金融機関が加盟する業界団体、金融サービスフォーラムのジョン・ディアリー上級副会長は北京の二国間協議での進捗(しんちょく)を歓迎した上で、中国の金融セクターへの外国勢の関与については「一層の大きな前進」が必要だと指摘した。
同氏はインタビューで、「米国やその他の西側諸国の金融機関は依然、中国市場への完全参加で大きな困難に直面している。この結果、同国の金融システムに不可欠な改革の進行が遅れている」と述べた。
FRBが中国の金融機関の米国での事業拡大を認めた理由の一つは、中国の銀行規制当局がこれらの規模の大きい複雑な金融機関の監視に乗り出しているとFRBが判断したことだ。
FRBによれば、中国銀行業監督管理委員会(CBRC)は最近、監視プログラムを強化する方策を講じ、大手金融機関の年次監査を行う意向を明らかにした。
また国際通貨基金(IMF)も最近、中国の全体的な規制や監視の枠組みを承認したと述べている。
グッゲンハイム・セキュリティーズのアナリスト、ジャレット・サイバーグ氏は、中国の銀行は米国での足掛かりを構築するために米地銀の買収を検討しているかもしれないと指摘した。