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筋弛緩剤事件・成分分析実験請求へ イオン不検出を立証

 仙台市泉区の旧北陵クリニックで起きた筋弛緩(しかん)剤点滴事件で、再審請求した元准看護師守大助受刑者(41)=無期懲役確定=の弁護団が仙台地裁に対し、筋弛緩剤成分「ベクロニウム」のサンプルを使った質量分析の実験を請求することが10日、関係者への取材で分かった。
 確定判決は大阪府警科学捜査研究所の鑑定を有罪認定の根拠とした。鑑定は患者5人の血清や点滴溶液などの資料とサンプルを分析。ともに質量電荷比258のイオンが検出されたことなどを理由に「資料にはベクロニウムが含まれている」と結論付けた。
 関係者によると、弁護団は地裁が専門家を選任して実験することを想定。確定判決が有罪認定の根拠としたイオンについて、誰がサンプルを質量分析しても、イオンが検出されないことをあらためて明らかにするのが狙いだという。
 弁護団は再審請求に当たり、東京薬科大の専門家にサンプルの質量分析を依頼。「どんな方法で分析してもベクロニウムから質量電荷比258のイオンは検出されない」とする意見書を新証拠として地裁に提出した。
 弁護団は、事件当時11歳の女児の容体が急変した原因に関する診断も地裁に請求する方針。新証拠として、女児の容体が急変した原因は筋弛緩剤の投与ではなく、神経内科疾患の「ミトコンドリア病」と診断できるとする長崎大の内科医の意見書も提出している。
 このほか、新証拠を作成した専門家3人の証人尋問も求める見通し。


2012年05月11日金曜日


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