未来貯蓄銀会長、フィリピンへの密航計画していた

　授業料は500万ウォン（約35万円）を超えるが、キム容疑者はさほど授業に熱心ではなかったようだ。授業では1－2回しか見掛けたことがない、と同期生たちは話している。上級公務員の同期生は「私は真面目に授業に出席したが、キム氏を見た記憶はない」と話した。

　だが、ある企業社長の同期生は「（授業にはほとんど出席していなかったが）キム氏が忠清南道牙山市のゴルフ場に（同期生たちを）招待したことがある。系列のゴルフ場を持つとは、貯蓄銀行にどれほどの資産があるのだろうかと思った」と振り返った。このゴルフ場は、キム容疑者が未来貯蓄銀行から1000億ウォン（約70億円）以上の不正融資を受けて建設し、他人名義で所有していたことが、検察の捜査で明らかになった。

　ゴルフ場でラウンドに参加した人の一部は、キム容疑者が別荘として使っていた朝鮮王朝時代の家屋「建斎古宅」（牙山市松岳面）に場所を移し、宴会をしたという。

　弁護士の同期生は「キム会長は自己紹介をする最初の授業日にも出席しなかったが、同期生が毎月行っていたゴルフの集まりには顔を出していたようだ」と語った。

　同期生の中にはソウル大法学部出身者も多かったが、30年前にキム容疑者が同学部卒を詐称し、露見したことを記憶している人はいなかった。ある同期生は「30年の歳月で外見が大きく変わったせいだろう。キム氏はソウル大法学部に対する未練が大きかったようだ」と語った。