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個人ブログの内容間違い、発信者は責任を負うべきか
ブロガー 藤代 裕之

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2012/5/10 7:00
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 交通事故の被害者を治療した救急救命センターのブログが、取材に訪れた新聞記者の対応を激しく批判し、ネットで大きな話題になった。その後、ブログで批判された新聞社が、「そんな事実はない」と別のニュースサイトの取材を通じて反論。どこまでが本当なのか、状況はあいまいになっている。誰もが情報発信できるソーシャルメディアの時代は、マスメディアだけが発信者ではない。だからこそ、ブログを書いている一般の人々も、自分のブログに間違いがあれば率直に謝罪や訂正を行い、間違いの経緯を説明すべきだろう。

■当事者による情報発信は強い説得力を生むが・・・

但馬救命救急センターのブログ

但馬救命救急センターのブログ

 「マスコミの人間に心はあるのか」という強いタイトルで批判したのは、兵庫県の豊岡病院に設けられた但馬救命救急センターのブログ「TECCMC’s BLOG」。同センターは4月23日に京都府亀岡市の府道で発生した、軽乗用車が児童の列に突っ込んだ事故の被害者に治療を行っていた。同日のブログには以下のような内容が書かれていた。

 「読売新聞、毎日新聞、朝日新聞など各社の記者(個人名を出しても良いと思いますが)は霊安室の前にカメラをかまえ、お帰りになるご家族の映像を勝手に撮影していました。再三にわたって取材はお断りの旨を伝えていたにもかかわらず、一番大切にしたい瞬間に、ズカズカと土足で割り込んできました」

 社名を列挙していた(その後削除)このブログは、瞬く間にネットに広がりマスメディアの取材手法に対する批判が起こった。事件事故、災害の現場に対する取材のあり方は、以前からたびたびネットで話題となっており、ネットで批判が広がりやすい。

 筆者自身もこの批判を受け、現場取材での課題についてブログを執筆した。センター側が社名を書き「個人名を出しても良いと思う」と書いていたことから、「事実」との前提に立ってしまっていた。

 しかし、その後ネットニュースサイトのJ-CASTニュースによる追加取材によって、名指しされた新聞各社が否定していることが明らかになる。そのため筆者も追加取材を行った。

■一部の記者の対応がマスメディア全体の批判に

 読売新聞の大阪本社広報宣伝部は、ブログが事実ではないとした。毎日新聞と朝日新聞は詳細な記者の動きについても回答があった。

 毎日新聞の社長室広報担当は「終始、病院側責任者の立ち会いの下、あるいは指示に従って取材していました。記者が待機したり、取材したりした場所は病院建物内ではなく、霊安室から外部に出る救急出入り口から約20メートル離れた病院駐車場(病院側が指示した場所)でした」とファクスで回答した。

 朝日新聞の大阪本社広報部は「霊安室の前にカメラを構えた事実も、お帰りになるご両親を撮影した事実もありません。弊社の記者は、ご遺体とご両親がセンターからお帰りになる2時間半前に、センターを引き揚げていました」としている。

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