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妊娠中の寄生虫感染 赤ちゃんに障害も
5月10日 5時52分

妊娠中の寄生虫感染 赤ちゃんに障害も
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母親が妊娠中に感染したトキソプラズマと呼ばれる寄生虫によって、脳や目に障害が出た赤ちゃんが3年間に16人いたことが日本小児感染症学会の調査で分かり、加熱が不十分な肉などが感染の原因となることから、妊娠中の人に注意を呼びかけています。

トキソプラズマは、加熱が不十分な肉を食べたり猫のふんが混じった土をいじったりすることで感染する寄生虫の一つです。
健康な人が感染しても問題ありませんが、妊娠中に初めて感染すると、胎児にトキソプラズマがうつり、脳や目に障害が出る先天性トキソプラズマ症で生まれるおそれがあります。
日本小児感染症学会が全国およそ2700の病院を対象に調べたところ、平成20年までの3年間に16人の赤ちゃんに脳や目に障害が見られ、先天性トキソプラズマ症と診断されていたことが分かりました。
先天性トキソプラズマ症の赤ちゃんは、昭和60年に行われた調査で1例しか報告されず、まれな病気とされてきましたが、食生活の変化やガーデニング人気の影響などで報告が増えているとみられています。
トキソプラズマに詳しい三井記念病院の小島俊行産婦人科部長は、「重い場合は流産したり死産したりすることが報告されている。妊娠したら肉を生で食べることは避け、土いじりをするときには手袋をするなど注意が必要だ」と話しています。

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