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“プルトニウム 地下埋設処分を”
5月10日 13時0分

“プルトニウム 地下埋設処分を”

原発の使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを再利用することについて、アメリカの研究グループは、コストが割高なうえ、テロに利用されるおそれがあるとして、「プルトニウムはすべて地下に埋設して処分すべきだ」とする見解を、発表しました。

この見解は、アメリカのプリンストン大学などの専門家4人が、10日付けのイギリスの科学雑誌「ネイチャー」に発表したものです。この中で研究グループは、原発の使用済み核燃料から取り出したプルトニウムを再利用することについて、ほかの処分方法と比べて大幅に費用がかさむという試算を示し、「プルトニウムを再利用する方法は、コスト面で大きな課題がある」と指摘しています。
さらに、世界全体で民生用としてすでに250トン以上のプルトニウムが蓄積されており、核兵器にも転用できることからテロに利用されるおそれもあると懸念を表明しています。
そのうえで、イギリス政府が去年、プルトニウムを核燃料に加工する工場を新たに建設する方針を示したことについて現実的ではないと批判し、「すべてのプルトニウムを地下に埋設して処分する方法が最も安全でコストも少ない」と結論づけています。
日本もこれまでプルトニウムを再利用することを原子力政策の柱としてきましたが、東京電力福島第一原発の事故を受け、こうした政策を見直すかどうか、検討作業が行われています。

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