コンプガチャ、大金投じる人も

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月に数十万円請求も・・・識者「課金高すぎ」と指摘

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 ソーシャルゲーム各社が廃止を決めた「コンプリートガチャ(コンプガチャ)」と呼ばれるアイテム商法は、月に数十万円請求されたユーザーもいるなど高額課金が社会問題化していた。ディー・エヌ・エー(DeNA)やグリーなど大手にとっては大きな収益源を失うことを意味し、業績面で打撃が避けられない。

 ソーシャルゲームは通信費を除いて原則無料をうたっているが、対戦を有利に進めるには「ガチャ」と呼ばれる1回数百円程度が主流の有料電子くじを引き、武器や防具などゲーム内で用いるアイテムを獲得する必要がある。くじで特定の複数アイテムを全てそろえる(コンプリートする)と、さらに希少なアイテムを入手でき、対戦で勝利を収めやすくなる仕組みだ。「効果てきめんで、他のユーザーから称賛されるなど英雄気分になれる」(愛好者)という。

 しかし、該当するアイテムを全てそろえるには何度もくじに挑戦する必要があり、結局、高額請求を受ける場合が多い。グリーのゲーム「探検ドリランド」に熱中しているという男子大学生は「ついつい月2万〜3万円使ってしまうが、ソーシャルゲームに強い知人は月に20万円程度を投じている」と語る。

 アイテム入手にかかる費用は、関係者の間で早くから問題視されていた。ゲーム業界に詳しいアナリストは「開発費と比べ(課金が)高額過ぎるのはDeNAやグリーの粗利益率を見れば自明。両社はもっと早く上場している大企業としての自覚を持ち、改善策を急ぐべきだった」と話した。

 9日の東京株式市場で、DeNAの株価終値は前日比26円安の1935円、グリーは159円安の1491円と売りを浴びた。2社にとって信頼回復の道は険しそうだ。

◆ゲーム業界に詳しい「エンターブレイン」の浜村弘一社長の話

 コンプリートガチャで子どもが高額な料金を請求される例は世間が騒ぐほど多くはなく、お金をたくさん使っているのは30代後半の男性が多いのが実態だ。コンプガチャはゲームの中の小さな仕様の一つにすぎず、収益に大きな影響はない。「コンプガチャ=ソーシャルゲーム」ではないのに、そういう誤解が広がって「ソーシャルゲーム=悪」というイメージが定着するのを避けたのではないか。

(2012年5月10日)

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