2010年にIGF総帥・アントニオ猪木(69)が日本人として初のWWE殿堂(ホール・オブ・フェイム)入りを果たした。レスラーとしての功績だけではなく、モハメド・アリ戦を通じ、総合格闘技の礎を築いたことが高く評価された。今後、猪木に続いて殿堂入りする日本人は現れるのか。本紙の予想はこうだ。
まず候補に挙がるのはデビュー41年目を迎えた炎の飛龍・藤波辰爾。1978年1月23日、ニューヨークの格闘技の殿堂、MS・Gでカルロス・ホセ・エストラーダの持つWWWFジュニアヘビー級王座に挑戦。最後はフロリダ修行中に〝プロレスの神様〟カール・ゴッチから伝授されたドラゴンスープレックスを初公開し、見事王座奪取に成功した。帰国後は3年9か月にわたり、通算52回の防衛を成し遂げるなど前人未到の記録を打ち立て、同王座の価値を飛躍的に向上させた。
続いては藤波と同じくレジェンドとして健在ぶりを見せつける初代タイガーマスクだ。劇画の世界からそのまま飛び出たような4次元殺法を駆使し、数々の強豪を撃破。その後のプロレス史に与えた影響は計り知れない。WWFジュニア王座とNWA世界ジュニア王座の統一に史上初めて成功し、米国でも東海岸を中心に防衛を重ねた。日本だけでなく、世界で最も有名なマスクマンの一人だ。
また米国とつながりが深いという意味では、武藤敬司の化身、ザ・グレート・ムタも候補に挙がってくる。89年3月〝東洋の神秘〟ザ・グレート・カブキの息子として初登場。リック・フレアーやスティング、レックス・ルーガーなどトップ選手と抗争を展開した。忍者のようなコスチューム、ペイント、毒霧の3点セットはインパクト大。今もなお知名度は抜群で、確かな足跡を残した。
女子選手では〝女帝〟ブル中野だろう。90年にWWWA世界シングル王座を奪取し、約3年にわたり王者に君臨。WWFからオファーを受け、米国に渡った。そして94年11月20日、全日本女子プロレスの東京ドーム大会でWWF世界女子王座を獲得。WWWA、初代CMLL世界女子王座と合わせて、史上初の女子3冠達成者となった。米国遠征中には、ショーン・マイケルズが毎回のように試合を観戦し、ブルの技を盗んでいったという逸話もある。
さらにKAIENTAIのメンバー(ディック東郷、獅龍、MEN’Sテイオー、TAKAみちのく、FUNAKI)やTAJIRI、ケンゾー・スズキ(現KENSO)などWWEでスポットライトを浴びた日本人選手は多い。殿堂入り式典は毎年「レッスル・マニア」の前日に行われる。格式ある舞台に次に登場する日本人は誰か。
