“大阪とは違う?” 京都は教員応援 府教委が新規事業続々
京都府教育委員会が新年度当初予算案で教員の自主的な課題研究や自己研さんを応援する新規事業を相次いで打ち出した。大阪市の橋下徹市長が教員「管理型」路線を進め、賛否を含めた関心を集めるが、府教委は「大阪流の教員管理強化は不要だ」とばかりに「励まし型」で一線を画す。
府教委は教員が自主的に新たなことに取り組みやすい環境を整え、意欲を引き出そうと、二つの新たな教員支援事業を設け、予算案に盛り込んだ。
一つは中堅・若手の高校教員に政策提案を促す学校改革リーダー養成事業。高校改革をテーマとする研究に対し、海外を含む現地調査の旅費や休業に伴う代替講師費など300万円を計上した。
研究内容は授業改善から学校経営、入試改革まで幅広く、大学や企業と連携した研究も対象となる。「まじめな教員が多く、休めと言ってもなかなか休まない。制度を整えることで短期間でも学校を離れ、今後に向け力を蓄えてほしい」とする。
もう一つは英語教員に英語力を維持するための自主的な学習を促すブラッシュアップ事業で、150万円を充てた。中学・高校の教員に英検準1級以上の検定料を助成し、研修の開催も検討する。
「大阪維新の会」代表の橋下市長は教員の管理強化方針を相次いで打ち出してきた。大阪府知事だった昨年6月、学校での君が代の起立斉唱を教職員に義務付ける全国初の条例を成立させた。大阪府・市の両議会で提案が予定されている教育基本条例案でも、教員評価や職務命令違反に基づく免職規定を議論の俎上(そじょう)に載せている。
現場の教職員との対立を深める大阪に、京都府教委幹部は「管理強化の時代は京都では10年以上前に終わった」と冷ややかな視線を送る。「高校改革や学校の特色づくりを進めるには現場の知恵や意欲が必要だ」と教職員との積極的な連携を模索している。
【 2012年02月16日 08時37分 】
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