蔚珍原発4号機、運転停止で電力不足の懸念

修理中にさらなる欠陥を発見、今夏から来年まで運転停止避けられず

 修理中の蔚珍原子力発電所(慶尚北道蔚珍郡)4号機に新たな欠陥が発見され、来年まで運転の全面停止が避けられないことが9日、分かった。このため、今年の夏は深刻な電力不足が懸念されている。

 原発運用会社である韓国水力原子力(韓水原)は、蔚珍原発4号機の蒸気発生器内にある伝熱管の欠陥が予想より深刻だと判断、蒸気発生器自体を交換するという結論を暫定的に出した。蒸気発生器を交換するには1-2年かかるため、蔚珍原発4号機は今年の夏から来年にかけて稼動できなくなる。蔚珍4号機の発電容量は100万キロワットで、一般的な火力発電所2カ所の発電容量とほぼ同じだ。

■蔚珍原発4号機、今夏稼動できず

 蔚珍4号機は昨年9月から稼働を停止して予防整備に入ったが、整備中に伝熱管の亀裂が発見され、整備期間を今年4月まで延長した。蒸気発生器の伝熱管とは、原子炉で発生した熱をタービンに伝える細い管のことだ。

 韓水原関係者は同日「蔚珍4号機の整備過程で、蒸気発生器内の伝熱管約1万6000本のうち相当数に微細な亀裂が相次いで発見されたため、交換するという結論を暫定的に出した」と述べた。韓水原は近く、原子力安全委員会に対しこの件について報告し、蒸気発生器の交換を行う予定だ。

 韓国の現在の発電設備容量は7943万キロワット。これは全国の発電所に設置されている発電機をフル稼働させた場合を想定した数値だ。発電総容量からピーク時の需要量を差し引いた予備電力は700万キロワット程度。最近相次いでいる発電所の事故や、毎年増えている電力需要を考えると、予備電力はギリギリだ。エネルギー経済研究院のイ・グンデ上級研究員は「毎年約5%ずつ増えている電力需要や、蔚珍4号機の停止を考慮すると、今年の夏の予備電力は400万キロワット程度に下がる可能性もある」と話す。予備電力が400万キロワット以下になれば、複数の緊急対策を実施する必要が出てくる。

崔源奎(チェ・ウォンギュ)記者
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