近畿日本鉄道(大阪市)は9日、三重県名張市の名張列車区に所属する運転士9人と車掌6人の計15人が翌日の早朝勤務に備えて前夜に名張駅などに隣接する社有の宿泊所に泊まる際、飲酒をしていたと発表した。近く処分する。
翌朝の乗務前の呼気検査で酒気帯びが確認されたケースはなかったが、飲酒運転を絶対に避けるため、勤務時間外でも会社施設での飲酒は社内規則で禁じている。2005年に同様の規則違反で499人を最長7日間の謹慎にしたが、戒めにならなかった。
近鉄によると、運転士らの飲酒を告げる匿名の投書が2日に寄せられ、名張列車区の203人全員を面談調査。うち15人が月に数回、宿泊所で泊まる際に飲酒をしたことがあると認めた。2年ほど前から恒常的に飲んでいる運転士もいた。
いずれも缶ビール1本か焼酎の水割り1杯程度。運転士らは「寝付きを良くするために飲んでしまった」と釈明しているという。
近鉄大阪輸送統括部の原恭運輸部長は名古屋市内で9日に会見し「鉄道会社としてあってはならないことで、深くおわびします」と陳謝した。
(中日新聞)