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'12/5/9

木炭ガス機関が推薦産業遺産



 明治から昭和30年代にかけて福山市新市町にあった発動機メーカー小林兄弟(けいてい)鉄工所が1936年に製造した小林式木炭ガス機関と関連資料が、産業考古学会(約600人)の推薦産業遺産に認定された。戦前の民需を支えた木炭ガス機関が製造当初の状態で残っている点などが評価された。

 認定を受けた木炭ガス機関は香川県綾川町滝宮の農業杉山清さん(75)が所有する。据え置き用で約750キロ。木炭ガス発生機とガス発動機からなり、出力は12馬力ある。杉山さんが約20年前に入手し、修復した。

 関連資料は、同社創業者のひ孫にあたる小林喜久子さん(62)=広島市東区温品=が図面や鋳物の木型、パンフレット、鉄工所の帳簿などを保存していた。

 西日本工業大の池森寛教授(63)によると、製造当初の状態で残っているのは珍しい上、資料もセットであるため「木炭ガス機関の技術史を証明できる唯一の遺産」という。池森教授が昨年末、学会に推薦し、87件目の推薦産業遺産に認定された。

【写真説明】昨年5月、吉備津神社で披露された小林式木炭ガス機関。右のガス発生機でできたガスをパイプで左の発動機に送る(NPO法人発動機遺産保存研究会撮影)




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