'12/5/9
中村元記念館、命日に開館へ
インド哲学や仏教学の世界的権威で、元東京大名誉教授の中村元(はじめ)氏(1912〜99年)の功績を後世に残そうと、出身地の松江市に記念館を開設する計画が進んでいる。生誕100周年のことし、命日の10月10日の開館を目指す。
中村氏は75年の「仏教語大辞典」刊行などの業績で知られる。同市で生まれ、翌年には東京へ転居したが、松江の和菓子を贈答品とするなど出身地への愛着は強かったという。89年には名誉市民に選ばれている。
記念館では、中村氏の蔵書約3万冊を保管するほか、自宅の書斎を再現し、手書き原稿も展示する。仏教や思想の講座も開講し、全国の研究者の交流拠点とする狙いもある。
中村氏が創立した研究組織「東方研究会」(東京)が生誕100周年事業として企画。昨年末から、地元の経営者や研究者たちが準備組織(会長・古瀬誠松江商工会議所会頭、21人)を設立し計画を進めてきた。準備組織は市八束支所2階への開設を検討しており、市と協議する。