'12/5/8
マリーナの船着き場活用探る
国と広島市が計画したプレジャーボート係留施設「太田川河川マリーナ」(広島市西区)の建設中止に伴い、市は完成済みの船着き場の活用策を考える検討委員会を設置する。市は検討委の提言を踏まえ、本年度中に活用策を決める方針でいる。
国が造った船着き場は太田川放水路河口部の西岸にある。放水路に通じる水面の広さは約40アール。隣接の市下水処理場の屋上に350隻をリフトで上げ保管する計画だった。今は国が不法係留船を一時保管したり、防災資材を置いたりしている。
市は検討委を夏にも設ける。学識経験者や地元住民たち約10人で構成する予定。ボートやカヌーの基地、水に親しめる空間などの活用策を市に提案する。
対岸には、10月に廃港・ヘリポート化される広島県営広島西飛行場(西区)がある。市は夏にも飛行場跡地の活用ビジョンで一定の方向性を出す意向だ。このビジョンを踏まえた船着き場の活用アイデアを公募するかどうかも検討する。
マリーナ建設は太田川や広島湾の不法係留船を減らすのが目的。事業費65億円のうち55億円を国と県で折半、市が10億円を負担する予定だった。
国は46億円をかけ船着き場などを造ったが、市は「需要が見込めない」として担当分の工事に入らないまま昨年11月、中止方針を国に伝えた。国は市の意向に沿い、ことし1月に中止を決めた。