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'12/5/10

広島県医師会の碓井会長死去



 広島県医師会長で、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)日本支部長の碓井静照(うすい・しずてる)氏が9日午前4時45分、食道がんのため、広島市南区の広島大病院で死去した。74歳。広島市東区出身。自宅は広島市東区牛田本町4の2の9。葬儀は近親者で行う。喪主は妻周子(ちかこ)さん。

 県と市の両医師会は、お別れの会を6月9日午前11時から、広島市中区基町6の78、リーガロイヤルホテル広島で開く。実行委員長は県医師会の松村誠副会長。

 碓井氏は広島大大学院医学研究科を修了した。広島赤十字病院内科副部長を経て、74年に東区で開業した。広島市医師会長を98年から3期6年務め、2004年に広島県医師会長に就任。地域医療の充実をけん引した。ことし3月には、30年ぶりの代議員投票となった会長選で5選を果たした。

 8歳のとき、爆心地から北東2・3キロの牛田本町にあった当時の自宅近くで被爆。在外被爆者の医療にも努めた。北米や南米に暮らす被爆者の現地健診に赴き、帰国治療を支えた。昨年10月には北朝鮮を訪問し、被爆者と面会した。

 4月末に、広島県や広島市などでつくる放射線被曝(ひばく)者医療国際協力推進協議会(HICARE)の会長にも選ばれていた。8月に広島市中区で開くIPPNW世界大会で、世界の医師を迎える予定だった。

 10年に中国文化賞を受賞、11年には旭日小綬章を受章した。「放射能と子ども達」「消えた十字架」など多数の著書を出版した。




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