このように、年齢が高くなりますと、ようやくわかってくることがたくさんあります。まず毎日の平凡な、当たり前の生活ができる有難さを知ります。今まで親や知人のお世話になってきたおかげと、自分の力だけで生きていけるのではないことを強く感じます(若いときは自分一人で大人になったように思いがちです)。
今、人のため、世のため何か力を尽くすことができるなら、それが幸せと思わないではいられません。でも、こういう言葉はともすれば偽善者の表面的な声のように聞こえがちなのですが、私はもう格好つけて書いたり、言ったりする時間はないので本音だけです。
若い人には長い将来があり、輝かしい未来があります。今までの勉強や訓練が生かされる日々が待っているでしょう。
縁という不思議な出会いもあるでしょう。人間関係は知識だけではわかりません。自分自身に打ち克つこと。愛のために心和やかにしていたいと思います。
三十代のころ、『礼記』のこの語に接しました。『およそ人の人たる所以は礼義なり。礼義の始めは、容態を正し(姿勢、態度)、顔色を斎え(表面の化粧よりも顔色、引き締まった表情)、辞礼を順にするに在り(言葉遣いに注意)』
日常の普通の心がけです。難しいことではありません。できる限り相手の心を和やかにする女性でありたいと思っています。
自我を取り除きますと、人の気持ちが読み取れます。利害に関係なく人を愛し、人に尽くすことができる優しい女性は、幸せなのだと思います。誰でもこれからの年月を大切にしたいもの。今、感謝ができる人は、幸せだと思います。
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