ソフトバンクは7月をめどに米ペイパル(カリフォルニア州)と合弁会社を設立し、スマートフォン(多機能携帯電話)を活用した新決済システムの展開を始めると9日発表した。ペイパルが提供する小型のクレジットカード読み取り機をソフトバンクが販売。小売店や飲食店経営者のスマートフォンに同機を接続して使ってもらう。初期費用が抑えられ、決済手数料も5%で済む点を訴求する。中長期的には合弁会社の上場を目指す。
ペイパルとソフトバンクがそれぞれ10億円を出資、「ペイパルジャパン」(仮称)を設立する。両社が役員3人ずつを出し、最高経営責任者(CEO)は喜多埜裕明ソフトバンクモバイル取締役常務執行役員が務める。ペイパルジャパンは新決済システムを利用する顧客からの手数料で収益を得る。5月から一部店舗で試験的に導入を開始し、合弁会社が設立される7月ごろには販売を本格化させる。
ペイパル提供の小型クレジットカード読み取り機をソフトバンクの法人営業部隊や、携帯電話販売代理店「ソフトバンクショップ」が販売する。価格は1200円程度の予定。店舗経営者はスマートフォンに読み取り機を接続し、来店した消費者のクレジットカードを読み取ってネットワーク経由で決済する。
日本では、近接通信方式「フェリカ」を携帯電話に組み込んだ「おサイフケータイ」が広く使われている。しかし、読み取り機の導入費用や決済手数料がかさむため、個人経営の店舗では導入率が低くなっている。孫正義ソフトバンク社長は「日本でガラパゴス的に発生したおサイフケータイは一時的なビジネスモデルであった、と5―10年後には言われることだろう」と述べ、新決済システムに自信を示した。
ペイパルは、電子商取引(EC)大手の米イーベイ傘下でオンライン決済サービスを手がける。