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「フェアな政策論争を!」??

img036.jpg「おだわらを拓く力」とは「加藤けんいち後援会」のことである。
私はどの後援会にも無縁であり応援するつもりもない。
しかし、左の記事にはさすがに驚きを隠せず、言わずにはいられない。

市民の皆様は、こう感じた方が多かったのではないか?

「冗談じゃない!」

今回の小田原市長選の場合、加藤市長の市政運営のあり方に対し、小田原市民の厳しい怒りの目が向けられていることを忘れてもらっては困る。

この4年間、人口減少による財政見通しの不安に加え、小田原市職員の不祥事は、この2年間で異常に発生し、今も続発し続けているのだ。
小田原市民の生命と財産に関わる問題ではないか。

加藤市長が謝罪と再発防止を繰り返し強調しても、後から後から、不祥事による職員の問題意識の希薄さや、ずさんな公金管理などの組織的課題が後を絶たないことが問題なのである。

こうした不祥事の背景になった「甘い」職場風土にしてしまったのは、いったい誰なのか。

それだけではない。

昨年の12月5日、予定されていたヒルトン賃料放棄等の問題に関する市民説明会の突然の中止から、次回再会の約束はどうなったのだろうか。
また、小田原地下街再生事業等についての「市民説明会」を市民が要望しているのに、なぜ開催を避けるのだろうか。「説明」できない事業なのだろうか。

このように、アカウンタビリティ(市民に対する説明責任)に関しては、ほったらかし状態であり、加藤市長が成果として強調する「住民協働」とは全く矛盾する姿勢ではないか。

もはや「政策論争」以前の問題であり、加藤市長の政治姿勢、行政手法が問われる選挙となる。

しかも・・・下記のとおり、意見広告の「フェアな政策論争を!」は矛盾だらけである。

「選挙違反の可能性大」について??
→「おだわらを拓く力」は政策の理解を求めるビラを駅等で配布し続けていた。私は、「後援会」によるビラ配りは、公職選挙法で禁じられていることは知っていたが、後援会名で無ければ良しとするやり方に疑問が残っていた。また、4年前、加藤市長が当選した際に、加藤けんいち後援会が当選の御礼文書入りの会報誌を配布した問題のように、公職選挙法違反の問題となった事件を棚に上げ、一方の後援会に対し、「やった者勝ちの行動である」「それこそ不祥事の温床」とは、言い過ぎなのではないだろうか。

「例1」
「市役所の不祥事について既に処分が済み」、「市政批判を行う目的で執拗な蒸し返しが行われている」??
→加藤市長は「首長」である。当然に部下が行ってきた不祥事に対しては管理責任問題がある。
加藤市長の政治手法について多くの市民が疑問を抱きはじめ、市政を心配して注視している中で、「市政批判を行う目的で蒸し返し」という言い方は、説明責任を果たさない立場であるのに、小田原市民に対して失礼なのではないか。

「例2」
「職員手当は県平均並みとした」「大幅な手当削減の事実を伝えない」??
→もともと、国家公務員より遙かに高く支給していた地域手当については、どう考えても削減するのは当然である。全国自治体において、給与の高すぎる葉山町・藤沢市・鎌倉市等が、国家公務員同様に、ラスパイレス指数引き下げへ給料の引き下げを行っている記事が、出てきている最中ではないか。
小田原市議会も、「今」、引き上げるのは時節にあわないと主張しているのである。もともと低いと主張する以前に、不祥事が続発する影響でコーチングプログラム研修事業等、余分な支出をかけていることに、市民にどう説明するのか。
引き上げの分、当面は防災対策に回すことを主張してみれば、市民の信頼が回復できたかもしれないのになぁと、常々残念に思う。

「市民の皆さんには、確かな目と心で、様々な情報や主張を見定めていただきたい」??
→開いた口が塞がらない。

小田原市長選 大野、加藤両氏が論戦!!

img035.jpg4月26日に小田原市長選挙を控え、大野、加藤両氏による討論会が開催された。
その場で聞いていたのだが、重要な問題点を2点指摘したい。

1.何のための市民協働か?

加藤市長が何度も成果を求めていた「市民協働による地域づくり」についてである。

これについては、前々回のブログを見ていただいた方の反響が大きかった。
私も公共事業による住民参加に携わってきた経験があり、改めて問題点を指摘しておきたい。

現在、社会資本整備にあたっては、行政、住民、専門家、企業、NPO等の幅広い参加を得て、それぞれの持つ能力を活かした協働による、地域やまちづくりの取り組みが全国各地で進められている。 誤解ないように言っておくが、協働による地域づくりの取り組みは非常に大切であり、1万を超える地方自治体においては、現在も盛んにワークショップが行われている。

しかし、「市民の力 地域の力」を読んで感じたことだが、小田原市の取り組みの場合、何のためのワークショップなのか。

市民の皆様は、加藤市長が「市民協働による地域づくりを行ってきた」との説明で、違和感を感じないだろうか? だって皆さん、そもそも、自分の知らないところで「市民による意志決定が行われた」と言われて納得しますか?

小田原市のように、主に行政計画を対象として行われるワークショップでは、「計画を決定する場」ではなく、「決定されるべき内容についての判断材料を作成する場」であることに留意が必要である。
また、多くの場合、行政計画は、将来にわたって広い範囲への影響を規定してしまうため、ワークショップに参加していない市民や、将来の市民にも配慮して意志決定することが必要なのである。
この「本」を読む限り、ワークショップの場をあたかも、行政計画の意志決定のように捉えられるのは問題がある。

また、加藤市長の発言を聞いていて、特に違和感を感じたのが、加藤市長がことさらに成果を強調する「片浦レモンサイダー」。

地域独自固有の資源を活かした製品を作るのは、どの自治体も必ず一度は考える地域戦略である。
しかし実際に成功した自治体は数えるほどしかないのが現状である。
高知県馬路村の「ゆず」では、「ゆずぽん」の馬路村ブランドを見事に確立させ、年間30億円を超える売上に成功し、地域の雇用と経済に貢献したことで有名だ。
しかし、どう見ても、「片浦レモンサイダー」は、成功したとは言い難いはずなのではないだろうか。

加藤市長は、ことさら「市民協働で築き挙げてきた、この流れを止めてはならない」と強調する。

そんなことはあり得ない。

参加と連携の地域づくりでは、その地域しかない地域資源を大切にし、地域の自発的な活動により、魅力ある地域づくりの目標を掲げ、達成していくことが大切であるということは、今はどの地方自治体でもあたりまえのことである。
恐らく時期市長が誰になろうとも、公共事業における住民参加、産官学の連携の取り組みについては、地方自治体においては、行政手法の一環として当然に継続していくはずである。

しかし、市税をはたいてまでして、「実例」を「市民の力 地域の力」と書籍まで作成して、さらには「表彰」を受賞することに力を入れる、行政ならびに市長の姿勢は、あきらかに本質を外れており、やりすぎではないかと言わざるを得ない。
誤解を恐れずに言えば、明らかに選挙対策のためではないか。


2.小田原駅前地下街再建計画では、なぜ防災対策は関係無くなるのか?

この議論については、加藤市長が本当に「現役の」市長かと思える発言があり、思わず嘲笑してしまった。

大野さんは、2度倒産した小田原地下街は、よほどの策が無い限り採算面で軌道に乗るとは考えられず、当面、防災倉庫への転用がふさわしいとし、下記のとおり主張した。
「現在の地下街再建計画は危機管理上問題がある。(標高10メートルの)小田原駅東口に津波が押し寄せる危険性、また、年々増加している(ゲリラ豪雨等)都市型水害被害の緊急提言が国土交通省で図られようとしており、このままでは将来的に浸水対策の整備費にさらに数十億程度の追加的予算が迫られる」

と主張したことに対してである。驚くなかれ、加藤市長は、

「どの筋の情報で数十億がかかると言っているのかわかりませんが、地下街再生は耐震性等の基準をクリアした上で、5分の2を国土交通省の交付金でまかなうものです。したがって(安全性には)国土交通省のお墨付きを得ているのです。」

さて、もし国土交通省(特に本省)職員がいたらこの発言にはびっくりしたはずである。
「おいおい、もし浸水が発生し、人的被害や経済的損失を負った場合、国交省にも責任をなすりつけるつもりか?!」

社会資本整備総合交付金は、中心市街地の移動利便性の確保、空き店舗等既存ストックを有効に活用するために受ける補助金のことである。都市型水害等の危機管理対策については、国は、あくまで地域主権に基づく考え方としている。
したがって、現在のところ、都市型水害等の危機管理対策は、各自治体に委ねられているのである。

そのため、地下街の多い東京都の都市型水害対策は別格として、横浜市でも緊急対策事業として独自で大深度雨水貯留管等の放水路を昨年度(平成23年度)中に完成させ、今年の夏にも多大な被害が予測されている都市型水害対策に既に備えている。

近年多発する、ゲリラ豪雨等の都市型水害は、内閣府や国交省ホームページをご覧いただければわかるが、気候変動やヒートアイランド現象の影響により、今後もゲリラ豪雨による都市型水害は増加すると予想されている。 年々、激甚災害や公共施設被害額が、「予想どおり」増大していけば、地下空間とりわけ人が密集する「地下街」は、危険な場所として当然、浸水対策としてさらに追加的予算が必要になるのはあたりまえの話しである。

加藤市長の言う、「防災対策」のポリシーはいったい何か?
選挙直前に、「三大案件」の成果を急ぐばかりに、地下街を「作る」ことだけに目を奪われてしまっているのだろうか。