県内公立中学校の9割余が、運動系部活動の延長としての社会体育団体を設け、そのうち管理者や指導者などについて定めた規約を設けているのは半数程度にとどまっていることが8日、県教委の調べで分かった。学校5日制を背景に休日などの練習時間確保が目的だが、きちんとルールを設けていないと、指導者や生徒らメンバーがほぼ同じで責任の所在があいまいになりがち。県教委は3月、市町村教委などに団体は規約を設け、それに基づき活動するよう求めた。年度内には、公立中学校の運動部の活動指針をつくるための検討委員会を発足させる。
県教委が県内の公立中学校全187校を対象に昨年12月に行った実態調査によると、94・1%に当たる176校が、部活動の延長として活動する社会体育の団体があると回答。1115団体のうち規約があるのは608(54・5%)にとどまる。参加者を募集せず部活動の部員が自動的に所属する団体は728あった。
社会体育団体の活動終了時刻は、冬季は全体の56・4%が午後7時、12・4%が午後9時と回答。午後9時半のクラブもある。県教委は「学習をしたり家族と過ごしたりする時間を確保することや、本人の健康管理などの観点から見直す必要がある」と、実質的な部活動の長時間化を問題視している。
県教委はことし3月下旬、市町村教委と学校組合に対し、社会体育団体に▽規約がある▽責任者が学校職員以外▽生徒や指導者、保護者が保険に加入する▽参加するに当たり本人の意思確認をする―の4原則を徹底するよう文書で求めた。ただ、部活動の顧問をしている教職員にはその分野に精通した人も少なくなく、団体の責任者でなくボランティアで参加するのは構わない―との考えだ。
検討委員会委員は青少年の発達段階の専門家や県教職員組合、県中学校体育連盟などを想定し、人選している段階だ。県教委スポーツ課は「社会体育に参加するのは自由だが、線引きをしっかり浸透させ、部活動と合わせた適切な中学生の運動量を考えていかなければいけない」としている。