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ソーシャルゲームは本当に終わったのか?

2012年05月09日 00:27

Takashi Ohmoto

昨夜のソーシャルゲーム株大暴落から一夜明け、消費者庁から8日、正式に「

「コンプリートガチャ」(コンプガチャ)について景品表示法違反の可能性があるとして、業者に注意喚起する方針を固めた。松原仁消費者担当相が8日の記者会見で明らかにした。


」というコメントも発表され、方向性が決定したため株価の下落は一応の収束を見せている。

混乱の主役でもあったGreeが好決算を発表したことも影響しているのだろう。

■ソーシャルゲームは本当に「終わり」なのか?
株価は一応の落ち着きを見せたものの、市場には「ソーシャルゲームは終わった」とする意見は多い。しかし、それは本当だろうか?筆者はその見解には疑問を感じている。確かに今回の規制によって、今までのような暴利とも言えるような急成長を見込むことは難しくなるだろう。

しかし、そもそもソーシャルゲームがこれほどまでに人気を獲得するようになったきっかけは、コンプガチャでは無い。フィチャーホン等で隙間時間に誰でも気楽に遊べるゲームと、友達と一緒に遊ぶという感覚が、「新たなライト層」の拡大に貢献したからだ。

昨年7月にこのような記事を書いた。任天堂の復活はありえるか?何故任天堂はDeNAに敗れたのか。 この記事の中で私はDeNAの成功の要因は新たなライト層がフィーチャーホン/スマートフォン上に誕生し、コンシューマゲーム市場にこだわる任天堂はそのライト層の大陸移動に対応出来ていないことが原因だと書いた。

■株式市場にとっての「終わり」はクリエイターとユーザにとっての「終わり」では無い
昨年の今位の時期にゲーム関係者の友人達とゲーム業界についての話をすると皆口々にこう語っていたことを覚えている。「ソーシャルゲームのようなゲーム性の無い物には負けたくない」「あんなのはすぐ飽きる」「でも、ソーシャルゲームは確かに儲かる」。クリエイターとしてソーシャルゲームに疑問を抱きつつも、その収益性と成長性を認めざるを得ないジレンマ。

この一年の間に大手ゲームディベロッパーを離れDeNAやGreeへ移籍する友人が後を絶たなかった。しかし、その一方で「ソーシャルゲームを通して友達と一緒にゲームを遊ぶ楽しさを思い出して欲しい」そんなことを口にする人が居た。

今回の規制で、ソーシャルゲームがぼろ儲けする分野という面では、確かに「終わり」を迎えるかもしれない。しかし、「ぽろ儲け」を除いた、「みんなと遊ぶゲーム」「誰でも気軽に遊べるゲーム」という持ち味を活かした「みんなが安心して遊べる」ジャンルとして、成長する可能性は残っているのでは無いだろうか。

そして、ソーシャルゲームに携わるクリエイター達にとっては、むしろ、本当に作りたかった物をもう一度作るチャンスが巡ってくるのでは無いだうか?ボロ儲けすることを目的としたゲームでは無く、コンシューマ市場よりも多くの人に遊んで貰い、みんなが純粋に時間を忘れて夢中になれるゲーム。そんなゲームに挑戦するチャンスが巡ってきたのでは無いだろうか。

ゼロの空間から誕生したこの新しい市場を、株式市場という一側面から「終わった」と決め付けるのはまだまだ早急なのでは無いか。

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