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気候変動否定派、米学校教育へ関与する動き発覚

  • 2012年02月27日 18:50 発信地:ワシントンD.C./米国
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地球温暖化の影響で氷が解けつつある南極・北極への関心を喚起するイベントで、独ベルリン(Berlin)のゲンダーメン広場(Gendarmenmarkt)の階段に並べられたブラジル人芸術家Nele Azevedoさん製作の氷の人の像(2009年9月2日撮影、資料写真)。(c)AFP/JOHN MACDOUGALL

【2月27日 AFP】米国で右派系の利益団体が、気候変動に関する学校教育を誘導する運動に資金提供していたことが発覚し、気候変動問題をめぐる新たな不祥事として問題になっている。

 発覚の元となったのは、シカゴ(Chicago)を拠点とするNPO「ハートランド・インスティテュート(Heartland Institute)」の予算と戦略を記した内部文書。前週公開されたこの文書によると「地球温暖化学校カリキュラム・プロジェクト」に20万ドル(約1600万円)の予算が計上されていた。またこのプロジェクトの内容として、「人間が気候を変化させているのかどうかは、科学的に大きな議論の余地があり」、気候モデルの「信頼性にも賛否両論」と学校で教えるよう促進する活動だと記されていた。

 また化石燃料業界やその利益団体から多額の寄付があった他、匿名の個人から125万ドル(約1億円)の寄付があったことや、国連(UN)の気候変動に関する研究成果の反証に成功した研究チームに30万ドル(約2400万円)が支払われる予定だったことなども発覚した。

 ハートランド・インスティテュートでは、戦略に関するメモ2ページ分は捏造(ねつぞう)されたものだと反論しているが、そのほかの文書については言及せず、AFPの取材申し込みにも答えていない。

■米連邦機関の科学者も関与か

 この問題は22日に議会で米民主党議員が、漏えいした文書に名前の挙がっていた米内務省職員の証人喚問を求めたことで、さらに大きな局面を迎えた。

 渦中にいるのは内務省科学テクノロジー政策プログラムの副責任者インドゥル・ゴクラニー(Indur Goklany)氏で、ハートランド・インスティテュートから月1000ドル(約8万円)の報酬を受け、同団体に寄稿していたと、問題の文書に記録されていた。連邦職員がこうした報酬を受け取ることは違法であるうえ、同氏の論文は国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の報告に対する批判を目的として対抗する科学者の国際グループ、「気候変動に関する非政府間パネル(NIPCC)」の書籍に掲載される予定だった。

 気候変動を否定するメッセージを発信するために、ゴクラニー氏が不当に金銭を受け取ったとして、民主党のラウル・グリハルバ(Raul Grijalva)下院議員は、天然資源委員会へのゴクラニー氏の召喚を求めている。また、他にも政府関係機関の科学者が関与している疑いもあると指摘している。

 環境保護団体グリーンピースUSA(Greenpeace USA)も同じく、政府機関の科学者が違法に報酬を受け取っていた事実の記載が問題の文書にないかどうか、政府に公式調査を求めている。グリーンピースUSAのカート・デービス(Kert Davies)氏はAFPの取材に対し、ハートランドは「何百万ドルもの資金を調達し、何年にもわたって気候変動とそれに関する科学を混乱させる運動を行ってきた」と批判している。

■気候変動の専門家が潜入を告白

 20日にはさらに意外な展開が加わった。気候変動の専門家として著名な科学者であるパシフィック・インスティテュート(Pacific Institute)のピーター・グライク(Peter Gleick)所長が、ハートランドの役員を装って同団体に潜入し、極秘内部資料を入手し、それを自分の同僚やメディアに流出させたことを明かしたのだ。グライク氏は今年初めに匿名のメールでハートランドの戦略に関する資料を受け取り、応答したところ、ハートランド内部の誰かしらから直接、最初の資料を裏付ける資料が届いたと述べた。

 グライク氏は潜入して文書を入手したことについて20日、公式に謝罪した中で、気候科学に対する「資金力がたっぷりあり、巧みに仕組まれた匿名の攻撃に対してたまっていたフラストレーションのせいで、判断が曇らせられた」と訴えた。

 これに対し、ハートランドのジョセフ・バスト(Joseph Bast)会長は「これは犯罪だ」と述べ、「当団体が受けた損害を回復するには単なる謝罪では十分ではない」と非難し、法的措置も追求する構えを見せている。

 一方、グリーンピースのデービス氏のように、科学者が文書を盗んだといった点よりも重要なのは、それによって漏えいした内部文書が本物で、その出所がハートランドだったことが確認されたことだと擁護する声もある。(c)AFP/Kerry Sheridan

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