小沢元代表無罪:強制起訴制度に課題も
毎日新聞 2012年04月26日 12時35分(最終更新 04月26日 12時44分)
小沢一郎元代表の公判は、09年5月に始まった強制起訴制度に基づく最初の裁判となった。判決としては3月に那覇地裁で男性が無罪を言い渡された詐欺事件(検察官役の指定弁護士が控訴)に続く2例目だが、早くも制度の課題がのぞく。
一般市民から、くじで選ばれた11人の検察審査員は、プロの法律家でも難しいとされる証拠評価を行わなければならない。東京第5検察審査会は、元代表の事件への関与を認めたとされる元秘書たちの供述調書を起訴議決の根拠の一つとしたが、地裁は問題のある取り調べだったとして、その大半の証拠採用を却下した。ある元検察幹部は「調書は検事が作った一方的なもの。証拠になるかどうかは裁判にならないと分からない。審査員が調書を見て判断するのは危険だ」と指摘する。