現在位置 : asahi.com > ニュース特集 > 台風13号 > 記事 ここから本文エリア

突風は竜巻の可能性 宮崎で多発、直線の海岸線が関係か

2006年09月18日23時54分

 3人が死亡し、100人を超す負傷者を出した宮崎県延岡市。竜巻とみられるつめ跡は、南北に長さ約6キロ、最大幅約200メートルに達する。

写真

突風が吹き抜けたと思われる通り道。特急が横転し、住宅や工場の倉庫が壊された=18日午前10時30分、宮崎県延岡市で、本社ヘリから

写真

瓦が吹き飛んだ屋根の応急修理をし、家財道具を持ち出す住民たち=18日午前10時24分、宮崎県延岡市で、本社ヘリから

写真

窓ガラスが飛び散った自動車整備工場。従業員が片づけに追われていた=18日午前9時40分、宮崎県延岡市別府町で

写真

がれきなどの片づけに追われる住民たち=18日午前9時45分、宮崎県延岡市別府町で

 市災害対策本部によると、竜巻は17日午後2時ごろに日向灘で発生したとみられ、同市緑ケ丘から尾崎町まで北北西に進んだ。この間、被害が集中しているのは6カ所程度。その現場を結ぶと、きれいな1本の直線でつながる。

 竜巻は前線や台風に伴って発生することが多く、宮崎県では台風に伴って過去に何度も起きている。

 今回の被害の映像を見た九州大の前田潤滋教授(耐風工学)は「建物の壊れ方などの特徴から、竜巻とみて間違いない」と話す。竜巻では、地上に近いしっぽの部分に触れた屋根が一部だけはがれるような壊れ方をする。

 被害が直線上に並ぶのも竜巻の特徴。竜巻は上下しながら進むことがあるといい、その場合は被害の大きい地域が点々と並ぶことになる。

 宮崎県では、71〜05年に22件の竜巻が起きた。全国では鹿児島(40件)、沖縄(38件)、北海道(28件)に次いで4番目に多い。昨年9月に台風14号が九州南岸に接近しつつあった際にも、宮崎市と旧佐土原町で竜巻が発生、民家の窓ガラスが割れ、けが人が出たばかりだ。この時は直径50メートルで約2キロ進んで消滅した。

 宮崎で竜巻が起きやすい理由について、九州大の守田治・助教授(気象学)は「直線状の海岸線が関係している可能性がある」と指摘する。

 海岸沿いで台風による強風が吹くと、摩擦の大きい陸と、小さい海との間で風速差が生じて渦ができやすくなる。これが引き金となり、竜巻に発達した可能性があるという。

 宮崎地方気象台は18日、延岡市で現地調査を実施。鈴木和史・気象台長は「被害が狭い範囲で直線的につながっているなど竜巻に近い特徴はある。データを分析し、竜巻かどうかを見極めたい」と話した。

PR情報


この記事の関連情報


ここから広告です
広告終わり

マイタウン(地域情報)

∧このページのトップに戻る
asahi.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。 Copyright The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.