今後10年間は僕が独走する――34歳でぶっちぎりの外食成長株、ステーキ「けん」井戸実社長に聞く(6) - 12/04/17 | 12:23 |
[+]画像拡大 |
---|
――ブログがよく火種になっているが。
ブログを書くときは何も考えていない。思いついたことを言っているだけ。いちいち周囲の反発を気にしていたら何もできない。ブログが炎上することで売り上げが落ちるのではと言われるが、びくともしない。マーケットの対象じゃない人たちにいくら言われようが関係ない。
ツイッターで意味なく絡んでくるのは救いようがないが、ブログの読者はコアのお客様。たまに2ちゃんねるなどで炎上させて、11年7月に始めた有料のメルマガに読者を誘導させる方法だ。このメルマガだけで毎月80万円の入金がある。
経営者は失業保険にも入れないし、会社の負債について個人保証もしている。潰れたら自己破産で悲惨だ。最悪、メルマガで食べていけるようにしておけば、パソコン1つでやっていける。会社が倒産しても、何が何でも家族を食べさせていくための保険だ。
――外食業界の今後は。
プレーヤーが減っていくのは間違いない。今後減っていく中で誰が残るか。消費者は保守的なので外食産業はブランド力のあるところが強い。一から作るよりは買い取ったほうが早いため業界再編は必ず起きる。エムグラントサービスは作る側に回る。「49歳で若手」なんて言っている老人たちには引退してもらう。
外食産業はこの10年間で大きく変わった。10年前、僕のようにゼロからここまで一気に拡大できる存在はなかった。おカネもつかなければ、出店の後押しをしてくれる人もいなかった。いちばん大きく変わったのはファイナンス。以前は水商売と呼ばれていた外食も産業として地位が確立され、資金調達がしやすくなった。加えて、外食の出店を支援するようなリース会社ができたこともある。地主もダイエーが潰れる時代に、相手を見て土地を貸すようになった。
僕が1978年生まれ。上だと100店舗100業態を達成したダイヤモンドダイニングの松村厚久社長が目標だ。下の代もサブライムの花光雅丸氏や、セクションエイトの横山淳司氏など新しい世代が少しずつ頭角を現している。そういう意味では業界の若返りはしている。老人たちにはどんどん引退してもらう。
とはいえ、同世代の外食の経営者で見れば僕がぶっちぎりだ。これが何年維持できるかということだが、ライバルも出てこない。この10年なら独走だ。僕を抜く経営者がいるかどうか、それが今後外食産業を見ていく中で面白いところだ。
(聞き手:松浦大 撮影:今井康一 =東洋経済オンライン)
◆◆東洋経済オンライン◆◆ - 『無料』のスタンダード会員登録で注目会社の最新業績動向、株価動向をチェック! 会員限定コンテンツのサンプル・会員登録は≫≫コチラ。 アドバンスト会員(有料;3カ月3500円〜)なら独自取材による全銘柄の最新業績予想がいつでも見られます。サンプル・会員登録はこちら
- 【PR】
- 建機レンタルが復興後の成長を目指すなら海外だ――金本寛中・カナモト社長 -12/05/08
- 本当に意味のある技術ならわかりやすく伝えられる――李英熙・サムスン電子専務携帯事業グローバルマーケティング責任者 -12/05/01
- 伝統的な商業銀行強みにアジア地域で成長を加速――三菱東京UFJ銀行頭取・平野信行 -12/05/01
- 日立グループの強みを生かし、コマツと肩を並べたい――日立建機社長・辻本雄一 -12/04/26
- 自ら動いてブランド力向上を図る――キリンビール新社長・磯崎功典 -12/04/26
- 「おネエ」だけじゃない、性的マイノリティとの共生を――企業におけるLGBT対応 -12/05/09
- 野田首相に残された道は、本音でビジョンを訴える正攻法のみ -12/05/08
- 原発被害に悩む南相馬、医療再生の苦しい現実 -12/05/08
- 北京モーターショーでも鼻息荒い独フォルクスワーゲン、中国で快走する理由 -12/05/08
- 沖縄経済の実力――本土復帰40周年、視線はアジアへ -12/05/08
【東洋経済オススメ情報】