インタビュー

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Yahoo!ブックマークに登録

今後10年間は僕が独走する――34歳でぶっちぎりの外食成長株、ステーキ「けん」井戸実社長に聞く(5) - 12/04/17 | 12:23


[+]画像拡大


 そういう意味で社員にはオーナーになってもらう。もちろん最初はオーナーが店長を兼ねるケースが多いだろうが、週40時間の労働で、働きたい。それ以外は家族と過ごしたい。高い給料はいらないというのであれば、店長にも管理職にもならなければいい。
 
 そうではなくて、30〜40代の働き盛りで、家にいてもやることがない、子供を食べさせなければならないという人たちは、じゃあ契約しましょう、と。働くだけ働いて残すものを残せばいい。

 2つとも労働者の権利を尊重する働き方を提案している。これは直営店では守れない。今後は50店舗ある直営店のうち、半数以上を業務委託に切り替える方針だ。

――ブログで上場準備中だとしているが。

 時期を決めているわけではないが、上場準備中だと言っておこうかなという話だ。具体的なスケジュールはない。昨年は上場しないと言ったが、それはそのときの話。今は風向きが変わって、上場準備中ということになった。ただ、資金繰りについては不自由していない。銀行からの借り入れはほとんどないし、今期は出店を抑制することでキャッシュフローが大幅に改善する。そのための出店抑制でもある。

――同じくブログには「もうすぐ引退する」と書いてある。40歳になったらすし屋になると言っているが。

 今、僕が社長業をやっている必要がない。迷惑をかけているばかりだ。この会社にとっていちばんいいのは僕が代表を辞めておとなしく家にいたほうが儲かる。役員報酬1.8億円だけでなく、毎月経費で400万〜500万円飲んでいる。その分経費が浮く。どこかで1回区切りをつけたいと思っている。

■外食経営者のカリスマ化はダメだ

――外食は創業者の思いやカリスマ性が重要だが

 逆に世の中の外食はカリスマ性が強いからダメ。そんなんじゃなくて、その事業にかかわる決裁者が判断できればいいだけの話で、僕の影響力が薄まれば自然と自分たちで考えるようになる。それを目指している。それがなかなかできないから、すかいらーくやロイヤルは行き詰まっている。日本マクドナルドは別格で、原田泳幸社長が来てから大きく変わった。恐ろしい会社でどうやっても勝てない。
 
 大それたことを考えているわけではないが、そこそこ売り上げがあって、社員が幸せで、過労死する環境でもなく、頑張るやつは頑張って年収1500万〜2000万円とれる会社が作れたらそれで幸せじゃないかというだけ。上場してカネを集めて、1000億円の売り上げを作ろうと考えているわけではない。

  • 【PR】

インタビュー一覧へ

ビジネス新着情報一覧へ



東洋経済オンラインは、東京証券取引所・大阪証券取引所・名古屋証券取引所・野村総合研究所・ダウ・ジョーンズ・ジャパン(株)・クォンツ・リサーチ株式会社によって提供される情報を用いて、センティリオン株式会社で作成および運営を行い、情報提供をしております。 日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。